第34話 今日のおかず

展望タワーからは、夜景が眺められる。

そして、星空も眺められる。


なので、夜中になるとデートスポットになるはずなのだが、

夜中に思春期の女の子が出歩くのを、親が許すはずもなく、意外とまばらだった。

なので、今では夜中は閉館している。


その事で、「親がうざい」という、女子がクラスメイトにもいるが、

いえ、それは親御さんが正しいです。


「透くん、ありがとう」

「何が?」

「付き合ってくれて」

「ああ、いいよ・・・お礼は・・・」


ファエトンと買い物に行く。

買い物は、晩御飯の買いだし。

僕は、荷物持ち。


でも、いくら男でも腕は2本までしかないので、限りはある。

なので、食パンなどの軽いものは、ファエトンに持ってもらっている。


「ファエトンちゃん、安くしとくよ」

「おじさん、ありがとう。じゃあね・・・」

すっかり馴染んでいる。


外では、愛美とい名前のはずだが、覚えている人は学校関係者くらいだ・・・

まあ、ファエトンも、そのほうがいいらしいが・・・


「ファエトン、今日のおかずは何?」

「鍋」

「暑いのに?」

「冗談よ。ビーフシチューよ」

得意顔のファエトン・・・


確かに、ファエトンのビーフシチューは美味しい・・・

美味しいのだが・・・


「透くん、文句ある?」

「いえ、ございません」


豚肉や鶏肉を、ビーフでまとめるのは、やめてくれ・・・


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