第32話 夜が明けて
気がついたら、僕はベットで寝ていた。
時計を見ると、もうお昼近い・・・
「やはり、夢だったか・・・でも、リアルだったな・・・」
もう少し寝ていたいのが人情だが、さすがに許さない。
洗面所へ行って顔を洗う。
パシャパシャ
タオルで顔をふこうとするが・・・
あれ・・・タオルは・・・
「はい、透くん」
「ありがと」
渡されたタオルで顔をふく。
「ファエトン?」
「おそよう。透くん」
どこで覚えた、そんな嫌味・・・
「ファエトン、夕べは・・・」
「何の事?さあ、ご飯出来ているよ。食べよ」
「ありがと、待っててくれたの?」
「うん、ひとりじゃつまらないもん」
「父さんと、母さんは?」
「仕事開けで寝ている。」
「瑠奈は?」
「朝から、お友達と勉強するんだった・・・」
「そっか・・・」
ということは、今は一つ屋根の下に、ファエトンとふたりきり・・・
でも、やましい気持ちにならないのは、彼女が宇宙人とためか、
それとも、家族のためなのか・・・
後者であることを、祈ろう・・・
「はい、透くん。ご飯」
「ありがと」
みそ汁もすする。
「あれ?出し変えた?」
「うん、少し時間あったので、変えてみたんだ。美味しい」
「うん、美味しいよ」
冗談抜きで、美味かった。
「透くん、今日は予定ある」
「うん」
「へえ、珍しい。どんな予定?」
僕は、ハードスケジュールを伝えた。
「まず、昼過ぎまで寝る」
「うん」
「2時から2時半までは、お茶の時間」
「うん」
「2時半から3時までは、ティータイム」
「うん」
「3時から6時までは、お昼寝」
「・・・・うん・・・」
(何だか、まがまがしい妖気が漂っているが気にしない)
「6時から、晩御飯」
「それから・・・」
「7時から8時までは、テレビ」
「・・・それから・・・」
「8時から、8時半前は、お風呂」
「・・・・で・・・」
「寝る」
「却下します」
(冗談なのに・・・)
「私と付き合いなさい」
ファエトンがいうが・・・
「やだ、面倒くさい」
まがまがしい妖気が、さらに強くなる。
「わかりました。お付き合いします。」
「よろしい」
で、ファエトンとデートすることになるが・・・
ファエトンさん、君から誘ったんだから、行き先は君が決めてくれ。
「だめ。透くんには、またエスコートしてもらうから」
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