第30話 銀河鉄道

その日の夜・・・


「・・・起きて」

スヤスヤ

「透くん、起きて・・・」

スヤスヤ

「しょうがないな・・・チュッ」


な・・・なんだ?

慌てて飛び起きる。


「あっ、目が覚めた?」

「ファエトン、今、何を・・・」

「気のせいだと思うよ」

頬がほんのり温かいが・・・

まあ、気のせいにしておこう。


「で、こんな夜中に何?」

「乗りたいんでしょ?485系」

「どこで乗るの?」

「庭に出て・・・あっ、そのままでいいよ」

パジャマでいいのか?


庭に出る。

「ファエトン、何を?」

「透くん、下をみて」

見下ろすと、485系の模型がある。

長い編成で12両だが、これは4両・・・


「ファエトン、これは?」

「お父さんに借りた。見ててね」

ファエトンは、何やら呪文んを唱える。


すると眼の前の、模型が大きくなって本物になった。


「透くん、本物ではないよ。実物大の模型かな」

「どうするの?」

「乗って」

「乗れるの?」

「もちろん」

ファエトンは微笑む。


ドアの前に立つとドアが開く。

乗り込むと、本物さながらの座席があった。


しばらくすると、乗務員姿のファエトンが現れた。


「江美利透くん、当銀河鉄道へようこそ。

今から君を銀河の旅へとご案内します。


当列車は、4両編成で、3両車が食堂車です。

銀河を見ながらの、お食事をお楽しみください。」


485系は本来は電車だが、架線もレールもない。

ファエトンが念力で動かしていると思うが、こだわらないでおこう。


こうして、旅?が始まった。


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