第25話 七転び八起き

「透くん、さっきの話だけど・・・」

帰宅してすぐに、ファエトンが僕の部屋に来た。


「電気、つけていい?」

「うん」

ファエトンが灯りをつけて、僕のベットに腰を下ろした。


僕はベットに寝そべって、天井を見上げている。


「私も透くんと同じ考え・・・そう言ったよね・・・」

「うん」

「あれは、本当だよ・・・私もこう見えて、自分に自信がない・・・」

大半はそうだろう。

何かしらの悩みがある。


中には、「お前絶対に、悩みないだろ」という人もいるが、ごく僅かだ。


「私ね、本当はとても弱い。でも、それを悟られたくない。

でも、少しでいいので、昨日の自分を超えたい・・・そう思ってるんだ・・・」

「ファエトン?」

「悩んでいいんだよ。泣いていいんだよ。それは当たり前だから・・・」

「何を・・・」

ファエトンはこっちを見て、少し微笑んだ。


「私を誰と思ってるの?空から見てたんだよ。君の事・・・」

「えっ」

「透くんは、我慢してたんだね。でも、強い」

「強くないよ・・・」

「ううん、強い。確かに力は弱い。でも、心は強い」

「なぜ、わかるの?」

ファエトンは、ベットから腰を上げ、部屋から出ようとする。


そして、振り返ってこう言った。

「七転び八起きだよ。転んでも立ち上がれば、そのたびに強くなるんだよ」

「何を・・・」


ファエトンはウインクして、こう言った。

「クリスマスまでには、考えておいてね。願い事」

そういえば、そうだった・・・


「いっておくけど、生半可な願い事だったら、怒るよ」

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