第24話  事あるごとに

僕の家族の誕生日は、全員が双子座に集中している。

だからというわけではないが、同じ事で何度もお祝いをする。

口実があれば、何でもいいようだ。


ファエトンが来た時にも、歓迎会を開き、

編入した時も、歓迎会を開いた。

(まあ、これは編入祝いだが・・・)

僕も好きなので、敢えて口にはしなかったが・・・


そろそろ、双子座から蟹座にバトンが渡される。


ファエトンも双子座流星群と共に来た。

なので、双子座と大いにかかわり合いがある。


両親が見過ごすはずもなく・・・


「今日は歓迎会だ」

何度目だろう・・・

今日はどこだ?


焼き肉屋だった・・・


両親は共に作家なので、予想以上に心労がたまる。

なので、憂さ晴らしをしたいのだろう。


「さあ、どんどん食べてくれ」

「遠慮しないでね」

「ありがとう。お父さん、お母さん」

両親と、ファエトンの会話・・・

今更という感じだが・・・


「ねえ、透くん」

「どうしたの?」

「この間の事なんだけど・・・」

「自分が好きか?っていう・・・」

「うん、後で・・・いい?」

「ああ」


「こら、話をしてないで、食べなさい」

どんどん焼き肉が焼かれる。


両親は、あまり食べずに、僕や瑠奈、そしてファエトンに食べさせる。

沢山食べて、大きくなれというのだ。


焼き肉屋は、歩いて行ける距離。

なので、両親は酒ばかり飲んでいる。

あまり、食べない。


困ったものだ・・・

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