第22話 雨の季節
6月になった。
梅雨の季節。
じとじとじとじと、雨が降る。
マイマイさんが喜んで、ナメクジさんが、散歩する。
マイマイとはかたつむりの正式名。
でも、僕は見たことが無い。
両親は、子供の頃はよく見たようだ。
ちなみに、ナメクジはうろついている・・・
そういえば、マイマイカブリという虫がいるらしいが・・・
成虫になっても、空を飛べないようだ・・・
それは、さておき・・・
「透くん、学校行く時間だよ」
「今、行く」
玄関に行くと、ファエトンがいる。
瑠奈は後から、親が連れていくそうだ。
甘やかしではなく、瑠奈は小学1年生。
夏休みまでは、親が送る決まりのためだ。
「透くん、はい傘」
「ありがと・・・って、1本」
「うん」
「君の分は?」
「ないよ。2人で使うから・・・」
「それって・・・」
「うん、相合傘」
いとこという事になってるし、ファエトンはあれなので、
恥ずかしがる事はないのだが、やはり照れくさい。
ファエトンは腕をからませてくる。
「えっ?」
「こうしないと、濡れちゃうでしょ?」
雨の日は、こうして出かけている。
僕とファエトンの、(表向きの)関係は知れ渡っているので、
冷やかしてくる人はいない。
いないのだが・・・それはそれで、寂しい気もする。
我ながら、わがままだ・・・
学校へ着く。
「ここからは、愛美ちゃんだね」
「うん、愛美ちゃん、がんばれ!」
「ありがとう、透くんもね」
愛美ちゃんは、女友達のところへ行った。
うまくやっているようで、一安心だ。
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