第17話 今夜の楽しみ

日曜日・・・

学校はお休み。

部活動、特に体育会系の生徒は、学校で汗にまみれている。


野球部などは、甲子園を目指して必死だが、冷静にみて、この地区では難しい。

僕は運動音痴で、家の手伝いがあるので、帰宅部。


うちの両親は、共に作家なので、休みは関係ない。


ファエトンが来てからは、すっかり頼っていたのだが、

彼女も学生になったので、頼ってばかりはいられない。


ファエトンは、「学費まで出してもらって」と、これまで以上にがんばりたいそうだが・・・

さすがに、そうもいかんだろう。


「透くん、お父さんとお母さんが、今夜、外食しようって」

「仕事はいいのかな?締め切りが近いだろ?」

「うん、気晴らししたいんだって」

「そっか・・・」


作家は刺激を受けるのが大事というが、本当のところは、すぐにわかる。

親だからな・・・


「瑠奈は、どう言ってる?」

「喜んでるよ」

「そっか・・・」

思春期の、僕と違い、まだまだ親が恋しい時期だ・・・


「で、どこへ行くって?焼き肉か?寿司か?」

「フレンチとか言ってたよ」

「フランス料理ね・・・豪勢だな・・・」

家族で外食するといえば、寿司か焼き肉が定番。


ちなみに、ファミレスはランチになるので、含まないと言ってる。


「だから、腹をすかせておけって」

「食べるなって、事か・・・」

「うん」

今は、昼前なので、かなりある。

育ち盛りなので、平気と思うが、まあ、楽しみに我慢しよう。


ちなみに、我が家でフレンチは、何かのお祝いの時に食べる。

さっきも言ったが、親の考えはわかる。


ファエトンの、編入祝いだろう。

楽しみに待つ事にした。

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