第13話 とある DVD

4月になった。

今日から、高校3年生、世間一般には受験生になるが・・・

まだ、進路を決めていない。


果たして、このまま周りにながされていいものか・・・

迷う・・・


「透くん、誕生日はいつ?」

ファエトンが、ふに尋ねてくる。

「7月7日」

「ポニーテールの日だね」

おいおい、そっちかよ・・・

まあ、間違っていないが・・・


プレゼントを期待してしまう自分がそこにいた・・・

でも、止めておこう。


「透くんの誕生日は、ポニーテールでお祝いするね」

「いつも、してるだろ」

「そうだね・・・」

照れくさそうに笑う。


ちなみに、妹の瑠奈は、2月2日のツインテールの日。

妹は、ショートなので、出来ないが・・・


両親は、ふたりそろって、10月14日の鉄道の日。

結婚記念日もその日。


なので、一緒にお祝いしている。

夫婦水いらすで・・・


「透くん、学校はいつから?」

「明後日だよ」

「宿題は?」

「ない」

「お風呂は入った?」

「晩飯の後で入る」

「歯は磨いた?」

「ああ」

「頭は洗った」

「風呂の時に・・・って、待て!どこで覚えた」

僕は、飛び上がる。


「お父さんに見せてもらった」

「DVDを」

「うん、面白いよね」

今の時代では、無理だな。


「透くんは、知ってるの?」

「まだ、生まれてない。父さんは夢中だったみたいだ」

「お母さんは?」

「裏番組を見てた」

「そうなんだ」

「普段は、仲がいいか、これに関しては喧嘩する」

「どうして?」

どうしてと言われても・・・


で、結論がでないまま、新学期に入る。

まあ、ゆっくり考えよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る