第8話 家族の一員

「靴に?」

「うん」


靴にお金をかける。

それは確かだ。


でも靴屋に行ったのは、ファエトンの靴は、買った服にはまっちしていない。

買った服に合う靴を、探しに来た。


靴代は、余分にもらっておいた。


ファエトンも、それはわかっていたのか?

服を選ぶ時よりも、慎重だ。


「どうして靴なの?」

「靴は消耗がはげしいからね」


僕は、外反母趾なので、傷むのが早い。

そのせいかもしれないが、靴はコレクターもいる。

でも、飾って楽しむ事はしない。


ファエトンは店員さんに訊いている。

いろいろとアドバイスを受けて、比較的すぐに決まった。


「透くん、どう?」

ファエトンが持ってきたのは、いかにも年頃の女の子が、はきそうな靴だ。


「せっかくなので、はいてく?」

「うん」

ファエトンは、靴をはき替えた。

「なんだか、歩きにくいね。サイズはいいんだけど」

「新しい靴は、そんなもんだよ」

ファエトンの顔は、年頃の女の子ぽくなっていた。


後は、化粧品などを回った。

ここは、さすがにわからないので、店員さんに任せた。

リップスティクや、香水など、いくつか買ったようだ。


そして、簡単な食事をして、家に帰った。


すると、ファエトンの部屋には、両親が買ったのか、

鏡台とタンスが置いてあった。


ファエトンは、何度も両親にお礼を言っていた。

「君はもう、家族の一員だから」


ファエトンは、感激していた。


そして、数日後には、女の子らしい部屋へとなる。

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