第4話 約束

「透くん、地球って広いね」

「えっ」

「宇宙から見ていた時は、小さいと思っていたけど・・・」

「うん」

「こうして見ると、とても広い」

地球は、宇宙全体からみれば、とても小さいだろう。


でも、いろいろなところがある。

海、山、森、砂漠、サバンナ、氷山・・・


そしてそこには、いろんな動植物が、そこに適応した形で生活している。


確かに、広いかもしれない。


「ねえ、透くん」

「何?」

「透くんの、ご両親って、何している人?」

「訊いてない?」

「うん」

「作家だよ、ふたりとも・・・」

「作家さん?」

「うん、だから家にいることが多いんだ。瑠奈は幼稚園生」

「そうなんだ・・・」

ファエトンは、空を見上げていた・・・

(帰りたいのかな・・・)


「透くん、私行きたいところあるの、連れてってくれる?」

「エスコートしますよ。お嬢様」

「ありがとう。では、行こう」

ファエトンに手を引かれる。


こっちが、エスコートされているみたいだな。


ファエトンに連れてこられた場所、そこは巨大なもみの木だった。

この町では、デートの待ち合わせ場所に使われる。


「もみの木って、クリスマスの飾り付けに使われるんでしょ?」

「うん。毎年その時期になると、飾り付けされるよ」

どうしてクリスマスを知っているのかは、訊かないでおこう。


「ねえ、今年のクリスマスには、デートしてくれる」

「でも、まだ先だよ」

「いいの。その時に透くんの願いをきくわ。それが私からの、プレゼント」

「ありがとう。楽しみにしているよ」


ファエトンは、小指を差し出してきた。

指切りをしようということか・・・


僕は、自分の小指をからませた。


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