第3話「唐突のお嬢様のお城」
マリは何かを思い出したようにグーのポーズをして話し掛ける
「あ、そういえば、私お嬢様の城の場所知ってるから、勇者もいるって事で行ってみない?少なくとも相手にはされると思うよ!」
馬原は興味深々に応えるが、途中嫉妬が溢れでる。
「お、お嬢様の城っ!?中々唐突な!俺ですら行った事無いのに……そうもあっさりと……勇者がいるって事でって……」
嫉妬が溢れ出る……
メイベルは呆れた表情で言った
「まぁまぁ、きっとあなたもお嬢様に相手されますよ」
何この呆れ顔、相手するの面倒クセェ的な顔……てか
「相手されないかもとか一言も言ってないし思っても無いのにこいつ……」
勇者はまぁまぁと言い、仲介するが如く話に入りマリに質問する
「例え勇者だからとはいえ、僕とか行って大丈夫ですか?失礼ではないですか?」
なんでそんなに謙虚なんだよ……それにメイベル母性溢れる微笑みしちゃってるし……無自覚女ったらしめ……
「勇者であれば形や実力なんてあまり関係ないよ、最低限の秩序はわきまえて貰うと嬉しいけど……」
勇者は爽やかな笑顔で言った
「恐縮です。僕なんてきっと入るだけで失礼なので礼儀に致しては徹底します。」
馬原は乾いた表情で一言言った
「勇者よ、自己評価ぐらい高くていいだろ、戦闘以外高水準なんだから。」
勇者は爽やかに謙遜する。
「いやいや、例え高スペックだとしても、皆と仲良く出来なくて戦闘もアレでは、勇者としての評価が」
あぁ、俺のせいか
「仲良くは出来てるぞ、ほら、こうやって話してるじゃないか」
勇者は困惑しつつ話している
「で、でも……」
「まぁ相手が勇者というもんだから、ちょっと嫉妬してて、棘がある雰囲気だったのはすまない。」
「……」
「でも、別に嫉妬なんて嫌いになる理由じゃない、まぁただ、自分のプライド故に距離を取ってないとやってられないけどな」
「すみません……」
「気にすんな」
「ありがとうございます!」
「少しはモチベーション上がったか?」
「はい!上がりました!」
勇者は爽やかな笑顔で頷き言った
適当な感じするけど、まいっか。
「おう、てメイベルはいつまで母性の溢れるニヤケ顔をしている……」
メイベルは微笑み続ける
「あ、ごめんごめん、お母さんになったことないけど我が子を見てるような母性溢れてた?」
「意味が分からねぇ……」
そして皆して笑い合った
「城いつ行くん?」
マリは若干の疲れ顔で問って来た。
「あ」
そういえば城行くんだった!?
馬原は満足したかのような表情で準備を始めるが、たった瞬間立ちくらみをした。
「おっとっと、そういえば俺倒れてたんだったな」
勇者は爽やかな苦笑いで心配した
「途中までおんぶしましょうか?」
そんなの俺のプライドが……察せよ勇者
「大丈夫だよ」
そうして城へ向かった勇者達、そして、黄土色の地面が緑の草叢へと変わっていく、そして、空も明るくなり少し風の強い曇り空になっていた。
そして大きく白の中にレンガの色が綺麗に目立つ城が視界に現れる
「少し明るくなったけど、城についたな」
メイベルは両手に荷物を持っているので、口を塞がずそのまま大きくあくびをした。
「疲れてかなり眠いから緊張感ちょっと薄れちゃったけど……着いたー!」
あくびも涙ぐんだ目も中々可愛いじゃん
「風で髪が揺れている、その姿がまるでRPGの様……」
マリは手で口を塞ぎあくびした。
マリちゃん眠さで変な事言ってる、うん可愛い。
「しかし、未だに敵がいませんね」
勇者は何か不思議そうに尋ねる
「確かに、どこに敵がいるんだ?聞いてたのに……」
そして、でかいお城に着いた、街はなく、ただただ長く高い階段にでかいお城がポツンとあった。
「でっけー、これはこれはここの主であるお嬢様はきっと大層なお方でしょう」
マリは目を細めてやめてくれと言わんばかりの表情でこちらを見た
「あの、それ以上ハードル上げないで……」
馬原は首を傾げた
「え?ここのお嬢様って可憐の花の如く可愛くて、なおかつ聡明な人で」
「……」
メイベルは呆れ顔だ
「性格は良すぎるあまり、自然も恋する」
「おい」
マリは呆れた顔だ。
「それでいて叡智にも恵まれている。そんな方じゃなかったっけ?」
敢えて上げちゃおっかなと思ったらもう上げてた。
マリは面倒をスルーするが如く呆れ顔で歩き出した
「行きましょう」
なんかすみません……
「案内致します」
馬原ははいはい。と言おうとしたが吃驚して
「はいはっ!?」
と驚き混じりに返事をしてしまう。
それとほぼ同時に上から順番に勇者、マリ、メイベル達も吃驚する
「!?」
「あひっ!?」
「ぬっ!?」
おい可愛い声で驚かないのかよ女の子達、あと勇者、お前はもっとビビれ、頼もしくなっちゃうだろ
「あ、あのいつの間にいたのですか?」
馬原は吃驚した声を聞かれたと思ってるにも関わらず敢えて動揺しつつも冷静そうに振る舞う。
「心拍数的に吃驚させてしまいましたね、すみません、私としながらちょっと吃驚させてみたい欲求に駆られまして……つい」
ウインクをする髪分けした黒髪短髪で桃色の眼をした清楚でクールビューティなメイド服を着た女性
「だ、大丈夫ですよー」
瞳がビー玉の用に繊細で綺麗、それに……やべぇ可愛すぎて歯がふにゃふにゃになる〜
「では案内するので着いてきてください」
そう言われるとメイド服を着た女性に着いて行く勇者達
メイド服を着ている、メイドなのか……この城メイドいるのかーへぇー可愛いじゃん
そして徒歩5分程で、城の入り口に着き、城内へと通じた扉を開けるとそこには眩いばかりのシャンデリア、赤い絨毯が部屋ごとに分岐していて取り敢えずヤバいことは分かった
奥へ進むとそこには玉座に2人のお嬢様らしき少女が座っていた
「うわぁ……て、どっちがお嬢様でしょうか、それとももしやお二人ともお嬢様なので……」
馬原はメイド服を着た分け目黒髪短髪の美人の方を向き、少し驚いた。
「眼、眼の色……」
え?と首を傾げる美人
「貴方方は、確かさっき会ったときは、桃色でしたよね?なのに、柿色!?」
美人はなんだと言わんばかりにニッコリと笑いながら
「あ、私は持つ感情によって瞳の色が変化するんです。緊張していれば桃色、楽しいとオレンジ、柿色、悲しい時は青、等々。他にもいっぱいあるんだよー」
へー俺ここ生まれなのに初めて聴いたand見たんだよなー
「へー」
「お嬢様、いつまでワタクシはお嬢様の格好をしていたら良いのでしょう?」
若草色のドレスと立体三角形の水緑石のネックレスと思われるファッションをしている黒髪ロングのショートでパープルの瞳の美人だ。
「え!?」
勇者達は驚く
「お嬢様!?」
勇者達は尋ねるように驚く
美人はニッコリと柿色の瞳で笑いながら言った
「ごめんごめん、最近メイドのメレンの髪が伸びて、ワンチャンお嬢様役行けるか!と思って、じゃあって事で私がちょっとの間メイド服着て、メレンがお嬢である私の服を着たの!」
メイドはやれやれと言わんばかりの表情で自己紹介を始める
「面倒くさいので一旦自己紹介を致します。
私はメレン・パープル、そして、お嬢様は御二方いまして、金髪ふわふわロングの方はグレーテル・マリベール、今は黒髪に染めてらっしゃってますが元銀髪ふわふわロングの方はヘンゼル・マリベールといい、マリベール家の姉妹で御座います。」
馬原は冷静な判定をするが如く言った
「つまり、玉座に座っている黒髪ロングの女の子がメイドで、ここにいるメイドの服を着た今だけ黒髪短髪の女の子がお嬢様であると……」
柿色の瞳のお嬢様は淡白に返事をする
「あ、はい」
これは
「ワンチャンどころかニチャン、いや、サンチャンは行けると思いましたはい。」
瞳の色が若干薄紫に変わりつつも苦笑いで返事をする。
「は、はい……」
あっ薄紫に変わったーかーわいーなー
「あとそちらのメイド服もかなり似合っておりました。はい。」
少し引け気味な笑顔で反応する。
「え……ありがとうございます」
「あの、お嬢様が面倒くさい奴だなー!と申しておられますが……」
メイドは凛々しい表情で言った
勇者達は若干の呆れ顔だ。
「え、え!?」
申しました?申しましたか!?
「すみませんねー」
お嬢様は否定せんのかいっ!?
「馬原くん、お嬢様にあんな表情させるなんて流石に失礼ですよ」
勇者は爽やかに馬原を咎める
馬原は深くお辞儀をして謝る
「すみません」
今回ばかりは本当にすみません!
メイベルとマリは呆れた顔を手で覆い天を仰いだ
「まぁ良いんですよ、そんな事よりマリはともかくこの2人は何用で来たの?」
マリ知り合いだったのかよ……
「仲間のマリをご存知とは、どの様な仲なのでしょうか?」
勇者の問い掛けにお嬢様は驚き混じりで返答した
「仲間!?まぁ、勇者来たからそういう事だとは思ったけど、マリとは友達みたいなものね。」
銀髪の女の子は片目黄色と片目灰色で驚きを見せながらすぐに両目を灰色に戻し冷静を取り戻す。
「そうですか、ちなみに僕たちはマリさんの案で着いてきました。」
勇者は爽やかに応える。
「なるほどね」
「あ、そういえばここ城があるけど周りの街とかないですけど、どうしてですか?あった方が兵とかも多いと思ったのですが」
馬原は少し疑問に思っていた
「この城は私達がこの場所に建てたから、あと、城内の人みんな強いから、それに戦闘好きでもあるから、兵が相手してたらまだかなーって感じにイライラしちゃいそうだから」
「へぇー、て建てたのですか!?どうやって!?」
メイベルは驚き混じりに質問した
「材料買って建築、以上!」
豪快すぎる……
「そういえば、皆さん強いって申してましたが、もし出来れば僕たちの修行を手伝う事って構いませんか?」
向上心凄いな勇者
「私もそれ言おうと思ってた所よ、勇者達がいるって事は戦いがあるかもっだったら、戦ってみようって!」
金髪の女の子が柿色の瞳を輝かせながら満面の笑顔で言った
「あ、でも待て、修行を10日間積んだら一人づつバトルするって事にしよう、勇者の自信のなさげな表情見てると勇者戦歴浅いんだろ、と思ったから。」
馬原はニヤリと笑う
「まぁ、俺とは別に勇者は戦闘未経験だし、まぁ別々の場所で10日の修行を積んでバトルも悪くない。」
「!?」
「未経験だと……」
メレン達は驚いた
「10日でせめて貴方達を楽しませるくらいは強くなりたいと思って努めます!」
勇者は声を張ってお辞儀をした。
「まぁ、良いか、修行は、バトル自動人型ロボットで、行うように、場所はこのバトル場とデッカくマジックで書いた板のドアを開いたらある草原だ、このドアは計5つある、ま、足りるだろ。ちなみに入ったらバトル開始と言って動くロボットを相手に修行する。以上!」
ドアにデッカくマジックでって……
まぁいいか
そうして修行を始めた勇者達
果たしてどれだけ強くなれるのだろうか!?
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