208日目

「……どこまで歩かせるんですか」


 廃屋を出てから既に半日程、俺達は歩いていた。


「……そんなに嫌なら別に置いていってもいいんだけど。私、飛べるし」


 そう言われてしまうと、俺もルメラも黙るしかなかった。それからまたしばらく全員黙ったままで歩き続ける。


 と、またしばらく歩くと、前方に見えてきたのは……大きな魔法陣のようなものであった。


「はぁ。やっと着いた」


「着いたって……ここに来るために歩いていたのか?」


「うん。だって、ここから転移しなきゃいけないし」


「転移って……どこへ?」


 すると、ホミアはキョトンとした顔で俺のことを見る。


「どこって……私の上司の魔王様の城に決まってんじゃん」

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