207日目

地下室から出された後、なぜか俺たちは1日ほど廃屋で待たされた。


逃げ出そうかとルメラと話し合ったが、リオナのことを考えるとそれはできなかった。


そして、夜遅くにホミアは帰ってきた。


「いや〜、悪いね。ウチの上司との話し合いに手間取っちゃって」


「上司って…ホミア、もしかして、また…」


「へぇ、ナナシ、私とどこで出会ったか覚えててくれたんだ」


「それは…当たり前だろ」


「…そっか。もう少し早くきてくれたら良かったのに」


「ホミア、お前…」


「…とにかく! これからわたしの上司に会いに行くから」


ホミアの言葉にいまいち理解できないままに、俺とルメラは顔を見合わせるのだった。

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