199日目

「…誰もいないのか?」俺達は隊列を組んで廃村を捜索することにした。いくつかの廃墟があるだけで、誰かが住んでいる気配はない。「…騙されたんですかね?」ルメラが不安げにそう言う。俺も少しそう思ってしまった。「いや…騙されているとしたら、すでに不意打ちがあるはずだ。しかし、それがない…おそらく、きっとどこかにホミアが――」「いるよ。ここに」と、いきなり俺たちの一番背後から声が聞こえてきた。同時に俺たちは硬直してしまった。そして、ほぼ同時に、声のしたほうを見る。「いやぁ~、久しぶりだねぇ。元気だった?」背中にはコウモリのような羽、青白い肌をしたその魔物は…間違いなく魔物に変化したホミアだった。

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