165日目

その日の夜、何者かが俺の部屋の扉のドアを開けた。今までの経験からか俺は思わず目を覚ましてしまった。「…ナナシ。起きてるだろう?」リオナの声だった。俺は起き上がる。「どうしたんだ?こんな夜中に」見るとリオナは深刻そうな顔をしている。「…少し、話をしたいんだ」リオナにしては珍しい申し出だった。とりあえず、部屋の明かりを付けてリオナと対面する。「で、話って?」「…ナナシは、知りたいのか?」と、リオナはゆっくりと話を初める。「知りたい…何を?」「…この世界のことだ。ナナシはこれ以上…この世界のことを知りたいのか?」そう言うリオナは今まで見たことのないような不安そうで、辛そうな顔だった。

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