第3話:最下層にて……
扉の先にいた
ここまでの道のりと同様にエミリアが瞬殺してくれるのだろうと勝手に予想していたが——その予想は即座に打ち砕かれた。
『——ブルオオオオオオォォッ!』
「な、なんだよ、これ……」
あまりの恐怖に足が震え、視線を
春人は
だが——
「
リボルバーから打ち出された
「
畳み掛けるようにして
結果——
「……す、すげぇ」
あまりの熱量、そして光景に
一撃必殺。これで家の前に現れた洞窟は無くなるのだとホッとした——のだが、それは早計だった。
『——ブルオオオオオオォォッ!』
再びの
「ちいっ! これで倒しきれないの!」
駆け出したエミリアは、リボルバーを右手に持ち接近を試みる。
頭の中にあるのは、超至近距離——〇距離からの
炎を纏った
直後には左足蹴り上げが放たれるが、半身を取りつつ
(——いける、これなら!)
エミリアは確信した。
さらに火力を一転に集中させた
——メリッ。
「——えっ?」
前傾姿勢を取った
吹き飛ぶエミリアの体は、まるで人形のように抵抗することなく壁に激突しそのままめり込む。大量に吐血して地面を赤く染め上げる。
エミリアは、そのまま動かなくなってしまった。
「……うそ、だろ?」
そう呟くのが、晴人には限界だった。
何故か? それは、
足がすくみ、動けない。
頼みのエミリアは壁の飾りになっている。
これで、終わりだ。
「——……に、逃げて」
だが、その中でエミリアはなんとか意識を取り戻した。
そして、巻き込んでしまった晴人に逃げろと伝えてきたのだ。
「……エミリア、さん」
「にげ、なさい、ハルト」
エミリアを振り返った
戦う力を持たない晴人にできることは何もない。今ここで逃げ出すか、
選ぶべきは逃げ出すことなのだろう。
だが、晴人にはどうしてもできなかった。
足が動かないから? ——違う!
エミリアに格好悪い姿を見せたくないから? ——違う!
このまま殺されてもいいから? ——もっと違う!
晴人は、最後の最後まで足掻こうと決めていた。
自分を頼ってくれたエミリアを助けるために。何もできないことは分かっているが、それでも何かをしたいと心の底から思ってしまった。
ならば、足掻こうではないか。できないならば、できないなりに足掻いてみせよう。そして、エミリアが逃げる時間を稼ごうじゃないか!
「——……こ、来いよ、牛頭! 俺が相手をしてやる!」
「ハ、ハルト!」
『……ブルルルルゥゥ』
鼻息荒く晴人を睨みつける
大量の石礫が晴人の体を打ち付けた。
「——ガハッ!」
たった一振り。それも、直接攻撃ではなくただの石礫。それだけで、晴人の体は傷だらけになってしまう。
手応えのない相手に、
痛みに耐えながら、晴人はそれでも
そこに——幻聴が聞こえてきた。
(——チカラガホシイノ?)
「……だ、だれ、だ?」
(——チカラガ、ホシイノ?)
「……ち、力? あぁ、欲しいね。今すぐ、切実に」
(——イイヨ、アゲル。コレヲツカッテ)
「……あんた、何を言って……いるの、か……えっ?」
エミリアの瞳も困惑に包まれている。
そして、当の本人である晴人が一番混乱していた。
突如として右手の中に謎の剣が握られていたからだ。
(——ソレハエターニアダヨ)
「エ、
「体が光ってる? それに、傷も治ってる!」
光は傷口に集まっており、集約されてから数秒で傷を癒していた。
その光景を目の当たりにした
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