仲介する
他人の恋を仲介することです。
●コンセプト
親友の恋を仲介する。(学園ラブコメもの)
●ハイ・コンセプト
タイムトラベラーが自分が消えてしまうのを回避するために未来の両親の恋を仲介する。(バック・トゥ・ザ・フューチャー)
さえない男が匿名掲示板の書き込みに助けられて恋人を得る。(電車男)
●考察
本来物語の主役であるべきキャラに、他人の恋を仲介するという脇役的な役割を演じさせるには、それが主人公にとってどうしても必要なことでなければなりません。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はその点をスマートにクリアしています。他人の恋が自分に大きな影響をおよぼすという点では、これに勝るものはないでしょう。
他には親友の恋を取り持とうとしたらその相手が自分に惚れてしまった、などのラブコメもあるでしょう。その場合は親友をとるか恋人をとるかという選択を迫られ、早々に「仲介する」から離れてしまうかもしれません。親友ではなく、恋のキューピッドが仕事のノルマを課されて他人の恋をとりもつために奔走する、というコメディも見た気がします。
最初の段落にも書いたとおり、能動的な性格の主人公では物語を作りにくいので、受動的な性格の主人公を周りがなんとか動かして恋を成就させるというアイディアもあります。この場合は群像劇を描く必要があるため、難易度が高いです。
現代は濃密なコミュニティが少なく、恋を仲介する・してもらうことも珍しくなってしまいました。匿名掲示板のコミュニティにいち早く目をつけた「電車男」の作者はまさに「早い者勝ち」を地でいっています。今さら匿名掲示板をツイッターやインスタグラムにすげ替えたところでパクりのそしりは免れないでしょう。
主役の設定に制約があったり、群像劇を描く必要があったりで難易度が高いですが、それらを乗り越えられればハイ・コンセプトになる可能性もある、という上級者向けの「面白さ」ではないでしょうか。
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