対立の解消に関するもの
敵を倒す
「敵」とはこちらに害をおよぼし、かつ和解の余地がない者のことで、「倒す」とは、敵を殺害・破壊などすることによって、その害を半永久的に除去することです。
●コンセプト
敵勢力から得た力を使って倒す。(仮面ライダー、デビルマン)
普段は封印している力を解放して倒す。(ウルトラマン、スーパーマン、スパイダーマン)
血筋などに根拠のある、特殊な力に目覚めて倒す。(ドラゴンボール)
強力な力を与える存在を味方につけ、その力を借りて倒す。(魔法少女もの一般(詳しくないので……細分化していただけると助かります))
過激な特訓をすることによって力をつけて倒す。(幽遊白書、HUNTER×HUNTER)
大切なものを犠牲にして倒す。(魔法少女まどか☆マギカ)
地の利を活かして倒す。(ホームアローン、ひぐらしのなく頃に)
●考察
単純明快な面白さ。でもただ敵を倒せば良いのでしょうか。他に条件がありそうです。
まず敵が強大でないと、ただの害虫駆除になってしまいます。しかし害虫でもそのサイズを大きくしたり、数を増やせば簡単に強敵にできます。「地球防衛軍」や「スターシップ・トゥルーパーズ」などですね。
概要にも書きましたが、和解の余地があると単純明快さが損なわれます。敵が人間(知的生命体)やその集団(国など)の場合は、十分に話し合った、あるいは敵が問答無用で襲いかかってきた、あるいは言葉が通じない、という設定が必要になります。戦争映画などで金や領土が絡むと途端に和解の余地はなくなります。あるいはアメリカン・インディアンを扱った映画や宇宙戦争ものなど、相手が未開人や宇宙人で話が通じない。あるいは宗教など特定の信念によって動いているから妥協できない。「ガンダム」(ファースト・ガンダム)では、独立を巡っての戦争が描かれています。
ルールがあると双方そのルールを守るという紳士協定が発生し、「勝負に勝つ」という「面白さ」に変化してしまいます。「敵を倒す」に存在するルールは物理法則(あるいは一貫性のある魔法などの法則)だけです。それさえ守れば相手をだまして勝つことは良いことです。「ジョジョの奇妙な冒険」や「HUNTER×HUNTER」などの能力バトルでは常識にとらわれない方法で相手を倒すというストーリーがよく出てきます。
敵を倒すのは主人公にしかできない、という設定も必要です。
神や英雄の末裔だから、というのはよくあります。アーサー王や仏教や神道の神、あるいは妖怪がよく利用されます。キリスト教の神はなぜか敵側になることが多いですね。ただ末裔だから、というのは理由として弱いと判断されるのか、何か特別のモノを見つけたら、という条件が付加されることが多いです。聖剣、聖杯、特別な指輪やペンダント、失われた魔法や技術などがよく使われます。
宇宙人などが地球人になりすましている、は「スーパーマン」や「ウルトラマン」ですね。危機の時だけ本来の姿を取り戻して戦います。「けものフレンズ」の「野生解放」もこれかもしれません。
何か都合のいい存在、妖精や天使、マスコットみたいな生物が不思議な力をくれる、は魔法少女ものや転生もの、異世界ものでは一般的です。大抵は特に対価を求められません。せいぜい正体がばれたらダメ、くらいです。比較的重い対価を課しているのは「パーマン」ですかね。正体がばれたらパーにされるとかだったような。重い対価を課しているのは「魔法少女まどか☆マギカ」でしょうか。「ぼくらの」もそうですね。
もっと現実的なリソース、国連軍や天才的な科学者が味方についていたり、というのもあります。「バットマン」は金持ち。タツノコプロの作品では天才的な科学者が司令官や参謀になり、強力な基地やマシンを建設して戦います。
強大な敵と戦うんだから、その力も敵から奪えばいいじゃん、という発想もあります。「新世紀エヴァンゲリオン」は敵の体から取り出した力を使って戦います。主人公が敵を裏切るという設定もよくあります。「仮面ライダー」や「デビルマン」ですね。
防衛戦は攻城戦よりもずっと簡単だ、ということを筆者は「シド・マイヤーズ・シヴィライゼーション」というゲームで知りました。ベトナム戦争で知った人も多いでしょう。主人公に地の利があれば、非力な主人公が強大な敵を倒すことも不可能ではありません。「ホームアローン」とか「ひぐらしのなく頃に」では自宅や裏山などにトラップを仕掛けて敵を倒す描写が出てきます。
敵は時代を表しているとよく言われています。昔は異教の神や悪魔が敵だったのが、産業革命後は機械に変わりました。宇宙進出競争が活発になると宇宙人が敵になり、産業ロボットが発達すると人間を超えたロボットが敵になり、AIが発達した現在、悪の心を持ったAIや極端に合理主義なAIが敵になっています。時代に合わせた敵を設定することがヒットの秘訣かもしれませんね。
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