第25話 疫病対策と身体変魔の再確認

 ここらでいったん確認しておこうと、携行して探索途中に昼御飯として食べていた食べかけのバナナもどきを頬張りながらステータスを見る。



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名前  :尾崎友斗

レベル :3 

種族  :人

称号  :迷宮から生まれた男 迷宮とともにあるもの

年齢  :10歳

性別  :男

属職  :なし

状態  :正常

加護  :なし


生命力 :36/36

魔力量 :47/49

攻撃力 :17

防御力 :16

筋力量 :25

体力量 :24/24

耐久  :22

敏捷  :20

魔法威力:24

魔法制御:52

精神強度:55

知力  :38


スキル :日本語

     剣術LV5

     大声LV6

     観察LV6

     暗算LV4

     早口LV8

     石頭LV5

     忍耐LV16

     魔力操作LV20

     魔力隠蔽LV13

     魔素同調LV14

     毒耐性LV2

     隠密LV7

     腹時計LV4

     脱兎LV4

     思考の渦LV10

     空腹耐性LV1

     血抜きLV1

     集中LV10

     精霊語LV14

     魔力循環LV9

     水魔法LV5


スキルポイント:0

魔法  :生活魔法

     土魔法

     光魔法

     水魔法

     風魔法

     雷魔法

     氷魔法

     闇魔法


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 生命力から知力までの数値もどれも上がっていて余は満足でございます。敏捷が上がったのは特に嬉しい。攻撃とか防御も大事だけど子供の身、大人よりは上がりにくいかもしれないとしてもどれも上げておきたいのだが攻撃に当たらないに越したことは無い。スキルも大抵上がっていて順調な感じだ。今まであんまり上がらなかった観察が上がっている。大声とか今の環境上上げにくいものあるのは仕方ないし、今のところ問題なしだ。周りに人がいないからされようもないし存在すらわからないけど、呪われてなくてよかった。病気も同じくだ。


 そういえば普通に風邪ひくとしても周りに人がいないから周りの人から移るということはないけど、山の中にいる訳だし、蚊が媒介するマラリアとかみたいな病気はかかる危険がある。ここは迷宮内だからといって虫が湧かないとは言えないし、十分気を付けていこう。


 と言っても、どう気を付けるか考えないと意味が無い。気を付けるとしても罹ってからでは対処の仕方が分からないから罹らないようにしないといけない。予防である。


 予防の仕方としては周囲の空間から原因を排除するか、自分自身防御しておく二択が考えられる。


 周囲の空間から原因を排除する、即ちその病気を媒介する蚊などの虫を排除しなければいけない。虫を排除するとしてもここに殺虫スプレーは無い。自分の周囲に入ると死んでしまうようにするか、それとも周囲を虫が嫌う空間にするかだ。どちらにしてもここに便利グッズは無い。


 パッと思いついたのは虫が嫌う煙だ。だが自分は臆病なので煙を立てたくはないし、煙の臭いは嫌いだから却下だ。


 虫が嫌う植物とかは無いだろうか。そんな植物もあるかもしれないが、一個一個の種類を確かめていくのは骨が折れる。他に方法は無いだろうか。


 ふふふ、思いつきました。用意するものは自分の魔力のみ。掌に載せた魔力を"清浄"をするときの想像で変換し、なおかつそのまますぐに使わないようにする。そうすると手の平に名づけるならば"清浄液"が完成する。"清浄"は体中の汚れを吸い取る、消すイメージで出しているが、その汚れは害のある微生物も該当する。従って疫病を運んでくる虫も"汚れ"にカウントさせる訳だ。この"清浄"が、使用者の価値観、考えを完全に適用するか分からないがまぁそれは置いておく。やってみなくちゃ分からない。ただいまお作りしましたこの"清浄液"を周囲にまき散らす。これで終了だ。


 これで虫が寄ってこなくなるか、そもそも迷宮内で虫を数えるほど確認したことは無いので効果の程は分からないがデメリットは無いだろう。


 次に、自分自身を防御するとは、まぁつまり魔素同調の事である。これを外では常にしておくというだけだ。これをしておくだけで体に虫が直接触れることは無くなる。これの問題点は意識的にしかできないということぐらいだ。これは本当に便利だと思う。


 と向こうからやってくる虫ばかり考えていたが寄生虫も心配だ。アニサキスみたいに食べ物に寄生虫が入っていて気付かず口に入れてしまったら厄介だ。アニサキスみたいに視認できるほどの大きさであれば注意して食べればいいのだが、もしめっちゃ小さかったら本当に面倒くさい。だが、これの対処はそういえばもう既にやっていた。これまた食べる前に"清浄"していたんだ。だけど食べる前だけじゃなくて一切れを口に運ぶ時も注意しないといけないのかもしれない。面倒くさいし、そこは焼くとか煮るとか調理さんにお任せしよう。



 ここで、一応今まで使ってきた魔法も忘れないうちに思い出すと、着火に耕起、涙 常夜光、照道光、微風、清浄、脱水、硬土、帯火、掃風、光球、消闇、風船光球とたくさんある。振り返ると名前もない魔法もあるのでいくつか名前を付けておこう。いつもの飲み水を生成してる水魔法は単純に"飲水"と、肉を凍らしている魔法は"保凍氷"としておこう。


 今日で生まれて九日目。作った魔法を振り返るついでに今までを思い出していると、忘れかけていたものを思い出した。夜更かしして"着火"の方法を考えていたとき、体の外に魔力を伸ばすと一緒に作って、狩りのときも使ったもののそれ以来使っていない、スキルポイントを使うときに名前を知ったが、身体変魔だ。使ったなー。せっかく作ったんだしお蔵入りさせちゃ勿体無い。今日はこれの練習でもしようか。


 今までやったのは水と火と風と雷。やっていないのは土と氷と光と闇。スキルになるようにやろうかとステータスを見ながら考えていると未だ、魔法の欄に火魔法が載っていないことに気づいた。もうついていてもおかしくないのになと試しに右腕全部を慎重に手の先から火に変えてみて、もう一回見てみると火魔法がしっかりと載っていた。今までの火魔法は生活魔法レベルだったのだろう。


 気を取り直して土にしてみたり、氷にしてみたりと一通りやってみたがどれもできた。だが、これを生活に取り入れるか何かしないと、使わなくなるかもと思い、いつ使おうかなと考えたが面白いことを考えた。ずっと違和感で最近は慣れていたのだが、視界の高さが10歳のこともありとても低い、そして腕も短い。仕方は無いのだが、元の170センチ台に戻ってみたい。そこで身体変魔の出番である。両脚を土にして、戻すということを十回ほど繰り返してしっかりと慣らしてから、もう一度脚を土に変えそれを伸ばす。おぉっとっ。片足ずつだとバランスを崩すので両脚一気にやる。腰から膝、膝から足の間隔の比はそのままで伸ばすことに気を付けてやる。よしできた。脚だけ長くてなんか歪だができたぞ。と感動したところで戻しておく。やり過ぎて元に戻せなかったら怖いからだ。一応原理上はそんなことは無いと思うのだが、慎重にちょっとずつ確かめていけばいい。今日はこれでやめておこう。十分だ。また、気が向いたらやってみよう。やっぱり左右均等にするのは難しくどうしてもどちらかに寄ってしまうので、これを直していけばいい。今度やるときは歩いてみたい。まだまだ実用段階ではないし、戦闘なんかではまだ使えないがちょっと緊張する娯楽ぐらいのつもりでやってみよう。


 腕とか脚とかはまだやれるのだが、頭はなんか怖いのでやれと言われてもきっぱりと拒否する。できる奴は勇者だ。誰も先陣を切ってくれないし、試行錯誤も怖いもんだなぁ。あ、雨の音が聞こえる。

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