第5話 食糧の枯渇と身体強化
水魔法と風魔法の特訓を交互に繰り返しながら特訓を続ける。出来るだけ魔力を使わないようにしているので非常に地味で静かだが面白い。水は勢いを途中で変えたり戻したりし、風魔法も同じく息の強さを強くしたり弱くしたりした。昼飯が欲しいとお腹が鳴り出したころに、魔力量の残量確認を兼ねてステータスを確認する。
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名前 :尾崎友斗
レベル :1
種族 :人
称号 :迷宮から生まれた男
年齢 :10歳
性別 :男
属職 :なし
状態 :空腹
加護 :なし
生命力 :27/30
魔力量 :3/16
攻撃力 :15
防御力 :15
筋力量 :20
体力量 :15/20
耐久 :20
敏捷 :15
魔法威力:10
魔法制御:15
精神強度:37
知力 :35
スキル :日本語
剣術LV4
大声LV6
観察LV3
暗算LV4
早口LV6
石頭LV5
忍耐LV4
魔力操作LV4
毒耐性LV1
スキルポイント:0
魔法 :生活魔法
土魔法
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結構魔力量を消費したこともあって、動いていないのに体力量が減っている。特訓の成果も着実に出ていて魔力量、魔法制御、精神強度が上がり、魔力操作スキルもしっかり上がっている。忍耐スキルのレベルもコツコツと上がっている。前回に比べると魔力量の最大量が増えたのと忍耐スキルのレベル上昇もあって、初めて使った時よりは脱力感にも耐えられる。朝ごはんを食べていなかったので、残っている果物1つと木の実を5個食べる。特訓で水を3杯も飲んだので滅茶苦茶腹が減っている訳ではなかったが、すぐ減るので食べる。もう果物は無くなり、木の実が5、6個あるのみになってしまった。昨日のこともあるからすぐに外には出たくないが、食糧問題の解決は急務だ。水は出せるから3週間は生きられるが、それはあくまで生きられるのであって、健康とは言える訳がない。あと数日以内に食糧の手立てを立てる必要がある。うーん。このまま魔法を鍛えた所で水で腹が膨れるが戦いに役立つ想像が現状では不可能だ。他の策を考える必要がある。
とは言いつつも、他の策か・・・。魔力を他の事に使えばいいのか。今欲しいのは戦闘手段。武器、剣は持ってないから、自らの身体能力を上げられれば勝機はあるだろう。小説で自らの身体能力を上げると言えば身体強化がお馴染みだが、全身に魔力を送るほど今の自分に魔力は残ってないし、かといって、暇だったら魔法の特訓をしたくなってしまう。どうしよう。よし、魔法が駄目ならスキルで勝負だ。あいにくスキルポイントは無く、戦闘に使えそうなスキルは少ない。しかーし、魔力操作や毒耐性の様にスキルポイントがないからと言ってスキルが取得できないとは言えない。今までのスキル取得は結果的だったが、今回は意図的にスキルの取得を目指そう。
まず、この付近をぐるぐる歩き回ろう。脚を鍛える。そしてこの洞窟にしか見えないこの迷宮では音が響くのでそれにも注意して音を立てずにしーずかーに息を殺して歩いてみよう。足の爪先からそっと音がならないように、だんだん慣れてきたらいつも通りの歩く速さでそれを意識。
まるで大きな本屋で何時間も見て回って足がくたくたになるぐらいに歩き、軽く足が棒になったところでひとまず終了。脚を前に広げて手を背の後ろにおいて楽に座る。すぐさまステータスを見てみるが、健脚はついていなかった。水戸黄門とかで昔の人は今の人よりずっと多く歩いていたのを思い出し、やっぱり健脚はすぐにつくほど甘くないだろうと自分で納得しておく。チッチッチ、だが、違うスキルは取得できていた。"隠密"だ。息を殺していたのが功を奏したみたいだ。歩いている途中、たまに自分は一人で何をやっているのだろうかと思ってしまったが無視してよかった。戦闘中に使えるスキルかどうかはまだ分からないが、偵察や敵をやり過ごすのに使えそうで結構満足だ。先程、魔力が無くてどうしようとか言ってたが、シンプルなもう一つの答えを見つけた。おやすみ。
お腹がすいて目を覚ます。前世は空腹で起きるなんてあんまりなかったが、時計もスマホもない今現在、食糧不足と、迷宮の中で真っ暗ではないものの薄暗い為、今が何時か分かるのが自分のお腹のみとなっている。細かい時間は知れないが大体の時間ならもうこれで分かる。しかしこれ以上お腹が減ると常時お腹が生って時間感覚を失ってしまう。この夕食を食べるともう食糧は尽きる。残しておこうか、いや、食べる。一気食いだ。ハハ、食べてしまった。まぁどうせこの問題を解決できなかったら死ぬまでだ。もはやここで意識が復活した時はこんなざらざらごつごつしているところで横になるのは嫌だとか言ってたが寝れるだけましだ。休んだことによって復活した魔力、ありがたく使わせてもらいます。しかしまだ迷宮の魔物とか会ったことないが、会うまでに無駄に消費するのもばからしいので使えることが分かったらすぐ元に戻して前に進もう。
今までの話、魔力で身体強化ができる前提だったができるかどうかは今からのお楽しみだ。体中にある魔力を循環させて動かせるのを確かめた後、その魔力を脚に全部集めて、さあジャンプ。うわっ危ない、天井に頭が当たりそうになった。天井の高さは目測にておよそ3メートルぐらい。思いっきりジャンプして手が当たる運動神経がめちゃいい人もいるかもしれないが頭が当たるのはなかなかないだろう。よしテストは良好。魔力をもとに戻していざ出発。
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