第27話 ハイテク機器とイリアナワニの肉 上
そのモノの名前は、ゲインツである。
ゲインツは人工衛星なるものを探しているようである。
話を聞くと…。
この空の上…宇宙と言われる所には、人工衛星と言われる物体が無数に飛んでいると言っていた。
その中には、通信をつかさどるモノや天気を観測するモノ。
この星以外の惑星や銀河など外宇宙の天体を観測目的とするモノ。
地上の携帯型受信機が現在の正確な場所を判明できるように無線報時信号を送信するモノ…。
そして…、軍事的に利用が出来るモノがあるようである。
ゲインツは、師匠のエイアイから課題を与えられて、この近くの草原に太陽光パネルと言うものを設置し、パラボラアンテナと言う設備を建設して、この課題に取り組んでいるようである。
気象などの衛星にはアクセスが出来たようであるが、この人工衛星がこの宇宙と言うところで動き始めてからかなりの時間が立っているため、アクセスできる衛星には限度があるようであった。
師匠エイアイから古の遺物で多くの本を与えられ、それを呼んで学んだ結果であると胸を張って言っていた。
ここにいるのは、ポドリアンの姪、ポドメアがいて、強い召喚獣が設備を昼夜守ってくれるとのことであり、エイアイが用意したようである。
エイアイは、クラウトの睨んだ通り、この地に居るようである。
ゲインツの話しでは、思い出した時に現れ、資材調達や古の遺物を探して旅をしている事があり、そのついでにここに立ち寄って状況を確認するとの事であった。
「どこにいるかわからないかな…」とクラウト。
「たぶん…『ラッシヤ』だと思う。ラボあるから…」と言うと、「ラボって?」とフレディが言葉にする。
「実験室だよ、師匠は、色々実験しているんだよ。おまえらバカだからわからないと思うけど…」と言うと、再びミーシャに頭をひっぱたかれた。
頭を擦りながら、「半年くらい前に、でっかい男ら連れてきて、遺物を取りに来たって言ってたな…。」と言うと
「その遺物とは?」とクラウトが聞く、その言葉に、画面を見ながら「知らない!でも、画期的なモノって言ってた…なんだっけ…製薬がどうのこうのって…と言うか」と言い、辺りを見渡し、周辺にある本をかき分け、見つけるとクラウトに放り投げ…。
「人ゲノム?ってのがどうのって言ってた。内容聞こうと思ったんだけど、課題をこなしたら教えるって言われてね…そうだね…覚えてるって言えば…DNA…ってやつ?なんか人を作る…人なのかな…とにかく生物の設計図みたいなモノって言ってたな、それが見えるとか、見えないとか…」と言うと、再び振り返り、クラウトのそばにある画面…といわれる場所を見て。
「おぉ?なんか反応ありそうだね…さすが核融合機…、生きてるねぇ~」と言いながら振り返り画面を見た。
ゲインツが使っているモノは、古ではコンピューターと言うらしい、忙しい時間?をさいて、色々説明をしてくれた。
コンピューターとは、電気を動力として計算処理を自動で行う計算機、即ち電子式汎用計算機のことであるようだ、電子計算機とも呼ばれるみたいだ。
数値計算に限らず、文書作成・動画編集・遊戯など、情報処理・データ処理などと呼ばれるような幅広い行為に用いられる。
古ではプログラム内蔵方式のデジタルコンピュータがあり、特にパーソナルコンピュータやメインフレーム、スーパーコンピュータなどを含めた汎用的なシステムを指すことが多い。
ここにあるのは、メインフレームのようだ。
色々話してくれたが、彼が言っているようにバカなのか、意味がわからない。
最後にスーパーコンピュータがあれば、こんなの朝飯前!と言っていた。
最近では、ノートパソコンでゲームをするのが唯一の楽しみと言って、いかがわしいゲームを見せた。
そのゲームに「貧乳は悪!」と言うセリフがあり、そのセリフを聞いたケイティが大暴れしていた…。
とにかく、情報としては、探している錬金術師は『エイアイ』と言うモノで、その者は、『ラッシヤ』と言う、『デルヘルム』から真南にある港町にラボと言う研究所を持っているようだ。
そこにいるかいないかは運任せのようであるが、クラウトとシスティナの武器を製作するためには、どうしても、この『エイアイ』から鱗の情報を聞き出さなければならない。
幸い、『デルヘルム』より真南なので、遠征終了後に捜索すると言う事になった。
ミーシャのお願い…と言うか、半強制的にゲインツを連れ出して、レンガで囲われているこの場所の裏手にある、岩山の向こうにある拓けた場所に設置していた、パラボラアンテナの見学に向かった。
そこには、直径5メートル程の巨大な皿が上を向いているモノがあった。
その隣に縦1メートル、横が2メートル程の黒い板状のものが十数枚並んであり、それがソーラーシステムの光を集めるモノと説明され、その近くにある建物で変換して、レンガの囲いへと、線…電線と言うモノを使って送電していると言っていた。
家々には電気を貯蓄するバッテリーなるモノがあり、この地方で集めた材料を使って作り上げたと言っていた。
すべてが手造りと言うわけでもなく、大半は古の遺物で、それを改良したものと言う話である。
ただ、表面上ではこのシステムは、この世界ではまだ早いと言う事で家々には電気は通っているが、隠して使っているとの事であった。
この事をハイテクと言い、ニカっと笑みを見せたのが印象的だった。
村に戻ると何かが聞こえてくる…。
…丘の方からだ。
その声の方を見ると、何かとてつもなく大きなモノを、掲げながら進んでくる影が見えた。
「おぉ~い!晩飯!取って来たぁぁぁぁぁ」とグンガ。
「ワァニィだ!今夜はワニだ!ワニ肉食い放題だ!」とガリレオ。
一同はその2人を見ている。
「あらぁ、ちゃんと今夜の食べ口を確保してきたのね、えらいえらい」とミーシャが言うと、「久しぶりに、だれからの施しも受けずにすむな!」とフレディが言葉にした。
その言葉に「施し?」とアサトが聞くと
「そう!うちら貧乏だから!」とレディGが笑みを見せて言葉にした。
「貧乏?」とアサト。
「そう、だって…、あれでしょう?」とこちらに向かって指を指す。
「グンガさんたちが?」とシスティナが聞くと
「ああ見えて、今まで、動物以外は殺したこと無いんだ。」と言いアサトを見る。
その言葉を聞いたミーシャがアサトとシスティナに近づくと、「殺生は、モラルを逸脱する行為なんですって、自分の父親は保安官。グンガはこの世界で保安官になるんだって、だから、むやみに殺生はしない。参ったって言ったらそこで終わりなのよ。完結。まぁ~、あんまり行儀の悪い者はロープで縛って街とかに連れて行くけどね…」と言いながらシスティナを見て。
「シスちゃんはワニ捌いた事ある?」と聞く、その問いに首を横に振ると
「そうよね…、じゃ、私に手伝って、グンガといるとゲテモノばっかり狩ってくるから、あの手の生物を捌くのが得意になっちゃうんだ…、それに…」と言うと…。
「でかしたグンガ!ワニ革は高額で売れる。明日も狩りにいかせよう!」とフレディが不敵な笑みを見せた。
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