第20話 太刀を知るモノ… 下
その行動をミーシャが見て。
「アサト君の謙虚さ、この馬鹿らに少しは欲しいわ!」と言うとグンガを見た。
そのグンガは涎をたらしながら一行を、正座をして見ている。
「飲み物でも涎を垂らすくらいに動物なの…うちのリーダーは…」とあきれた表情で言葉にした。
すると、グンガの後ろに立つ大きな姿を目にして、「あ…あの人は?」と声を上げるミーシャ。
すると一同がその方を見る。
グンガは、顔を上にむけると、そこには大きな体に太い腕、口いっぱいに蓄えた髭の男がグンガを見下ろしていた。
すると、「お父さん!」とセラが叫ぶと立ち上がり、何度かステップするとその大きな男に飛びついた。
「彼は、セラのお父さん。カーセルって言うの」とセラの母親が言う。
その言葉に一同が立ち上がり小さくお辞儀をした。
「お父さん、彼らがセラのお友達の…システィナさん、アリッサさん、ミーシャさん、そしてケイティさんにクラウトさん、アサトさんと…グラッパさんにレディGさんそしてフレディさん。」と言うと、「これで間違いない?」とシスティナに聞く、その問いに小さく頷くと。
「よかった。そして、そこにいるのがグンガさん」と紹介をしてくれる。
「おっちゃん…デカいな!強いのか?」と見上げたまま言葉にする。
その言葉に「…あらグンガ?…」とミーシャ。
その言葉に再び視線を真っすぐに戻して背筋をなおすと、「俺グンガ!よろしくです!」と言葉にした。
その行動を見ながら。
「面白いでしょう、そして、あそこで死んでいるように寝ているのが…ガリレオさん…」と言い、ミーシャを見ると、笑みを見せながら小さく頷いた。
そのガリレオを見て。
「死んで無いだろうな…」と言うと、「はい、大丈夫です。いつもの事ですから」とミーシャ。
その言葉に、「ならいい。」と言うと、一同を見て、「狩猟者か…」と言葉にすると、「ウン、セラの友達、そして…」と振り返り、クラウトに指を指して。
「あの人が、セラの婿殿」と言う。
その言葉に…「え?」とアサト、そばにいたクラウトは、俯きながらメガネのブリッジを上げる。
「…そうか…セラの婿か…」とセラの父が言うと、うつむいているクラウトを見ている。
クラウトは…。
と思ったら「まぁ、それは後からにしましょう」とセラの母親が言葉をかけた。
助かったように小さく息を吐くクラウト、そのクラウトに、「…クラウトさん?」とアサトが声をかけると、「…今はいい、今は…そっとしておいてくれ…」と弱く言葉にした。
「ゆっくりしていけばいい、俺は工房にいる。」と言うと、セラを降ろしてガリレオの方へと進み、ガリレオをまたいでその向こうにある小さな小屋に入った。
なにやら探し物をして出てくると、またガリレオをまたいで戻って来て、工房と思われる方へと進み始めた。
「工房?」とアサト。
一同は再び腰を降ろす。
アサトの言葉に、「私たちは鍛冶で生計を立てているの、最近の武器は鋳型に素材を注ぎ込んで作っているモノが主流なんだけどね、ここでは、一から作っているの、だから、強いモノが出来る。…わたしはよくわからないけど、腕の立つ兵士さんや狩猟者さんたちがよく来るのよ。」
「特注って事ですね、僕も聞いた事があります。払ったお金以上の強さを持つと聞いてます。」とクラウト。
その言葉に、「わたしは、ほんとによくわからないの…」と言い、小さく笑みを見せて、「でも、来る人来る人みんな喜んでくれているのは分かるわ…」と言葉にした時!
「きゃ!」とシスティナが声を上げた。
そこには小さく真っ白なサルがいた。
「…なに?」とアリッサ。
その言葉に、「じっちゃんの使い魔だよ」とセラが言うと、システィナの所に行きサルを抱き上げ、なにやら話を始めた。
そして…。
「じっちゃん…彼に会いたいって…太刀?を持つものと…」とアサトを見た。
その言葉にアサトはクラウトを見る。
一同はアサトを見ている。
「…僕?」とアサトが自分を指して聞くと、「ウン」と頷くセラ。
「地下…みんな入れるから来てもいいって」と言い、グンガを見た。
「わかった?、グンガ!あなたの相棒も…」と言うと、グンガは飛びながら立ち上がると膝からくずれ。
「足…しびれてるぅ…動けねぇ…」と横になって言葉にした。
その言葉を聞いて、小さくため息をつくと、「じゃ、あとからきなさい」と笑みを見せながらミーシャが言葉にした。
太刀を持つモノ…って…。
地下は2層まであるようだ。
天井には鉄で出来ているような四角い筒がある。
奥に入るにつれて、低く唸っているような音が聞こえて来た。
セラを先頭にクラウトとフレディ、ミーシャとシスティナ、ジェンスにアサト、グラッパとタイロン、ケイティとアリッサ…そして、グンガがガリレオを背負って降りて行く。
「…これって…」とアサト。
「たぶん通気口だな。この下で循環器が動いてるんだよ」とグンガが言葉にした。
「循環器?」とクラウト。
その言葉に、「えぇ、グンガは…元の世界の記憶があるのよ」とミーシャが言葉にした。
その言葉にクラウトが立ち止まると、一同も立ち止まる。
その行動に気付いたセラが立ち止まって後ろを振り返った。
その時!。
一気に階段が明るくなる。
「…なに…これ?」とアリッサ。
「眩しい!」とケイティが言葉を発すると、「あっ、LEDだ!」とグンガ。
「LED?」とクラウトが聞くと、「あぁ…発光ダイなんとかって言う、電気を使って明るくするやつ?って事しかわかんねぇ」と言う。
「…いつから?」とミーシャに聞くと、「『デルヘルム』を出てから私たちも知ったの…彼が来たと思われる時代は2028年。そして、ここはオーストラリアって言う国みたい、あの天井に会った人物の顏…それは、昔のアメリカの大統領と中国の偉い人みたいな話をしていた、彼は、この近くにあった島国…ニュージーランドと言う国の出身で、父親が保安官…。母親は学校と言う、教育機関で先生をしているよう…。彼は…マリオと言う原住民の血を引いているって言っていた…」。
その言葉に、「13人目か…」と言うと、「あぁ…俺もそう思っていた」とフレディが話す。
「大丈夫だ、グンガの事は誰も知らない…と言うか、知られてはいけない。これは…とても危険な事だと言う事は分かっている、だから、俺たちは死なないし、死ねないんだ。その答えが見つかるまで…グンガから離れられないんだ…」とフレディが髪を耳にかけて付け加えた。
その言葉にメガネのブリッジを上げ、目を細めてグンガを見るクラウト。
その表情は…時々見せる不穏な表情であった…。
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