第12話 謎の2人と謎の叫ぶ男たち! 下

 システィナの席には、ニコニコ顔でツンツンヘアーの少年が、アリッサの手を握りながらソーセージを食べていた。

 その向かいには、フードを目深に被ったモノが、しきりにパン、スープ、卵料理にソーセージ、パン、スープ、卵料理にソーセージ…と忙しく口に突っ込み、そして、空いたスープの入れ物をクラウトに差し出して、「お代わり」と言う。


 …ってか…だれ?


 メガネのブリッジを上げて受け取ったクラウトは、ゆっくり動き、スープを取りに行く。

 システィナは、フードのモノを見ながらタイロンの前にスープを置く。

 ケイティは、フードの奥の顔を見ようとしているし、アサトは、アリッサの手をにぎったまま離さずに、ソーセージだけを食べているモノを凝視していた。

 アリッサは、握られている手をただ見つめている。


 無言のままに食事をしている2人、それを見ている4人、そして、システィナがお盆を胸に当てて、フードのモノを見ると、そのフードのモノの前に暖かく湯気の立ったスープが置かれる。

 そのスープに手を当てると、フードのモノが引っ込み始めたクラウトの腕をつかんだ。


 「!」と一同。


 すると踵を返したように椅子に立ち上がりクラウトを見た。

 そして…鼻を…動かしている…と思ったら、いきなり『へナス』の村を見る…そして…。

 「来やがった!」と言うと、椅子から飛び降りて、広大な土地が見える場所に立った。

 「…ったく…毎日毎日…何が面白くて…」と言うと、外套の奥から手を出した。

 その手にはロッドがあり、そのロッドはシスティナやクラウトとは違うヘッドを持っていた。


 ケイティ以外は、そのモノを見ている。

 ケイティの隣で、再び、少年がソーセージに手を伸ばした瞬間、思わず、「どんくらい食うんじゃ!」と頭を叩いた。


 机に顔からぶつかった少年はケイティを見て、「何するんじゃ!」と声を上げる、負けじと、「おまんら!どこのもんじゃ!」と声を上げる。


 …ってか…どこの言葉…?。


 「俺たちは、『カオス』のもんじゃ!おまんらは何処のもんじゃ!」と返す。

 「ば~か教えるかっつぅ~の…ってか、いい加減放せ!」と、アリッサの手を掴んでいた手を引っ張ると、アリッサが「え?」と言いながら少年にくっついた。

 その瞬間に、少年がアリッサの胸に手を当てて揉む、揉む、揉むむむむむ…。


 その瞬間を見逃さなかったケイティは、少年目掛けて…「っちぇぇぇぇぇぇすと!」と言う掛け声と共に拳を少年の顏にくらわした…すると…。

 「この…貧乳娘が!」と言うと、「なに?今…言ってはいけない事言いやがったな!」と立ち上がり目に力を入れて少年を見下ろす。

 その少年は、アリッサの胸を揉みながら、「…貧乳は…悪なんだよ…」とうっすらと笑いながら言う。

 その顔を見てケイティは…かっちぃ~~ンと切れた瞬間、自分の椅子を手に取り振り上げた。


 その時……。


 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」


 と言う声?音…どっちともいえない声と共に『へナス』から何かが駆け出してきた。

 その姿をみたフードのモノ。


 すると「今日こそ、お前のその首…わたしが貰う…ひひひひ…」と何か役に入ったような口調で言葉にした。

 一同は、『へナス』から出て来たモノの姿を見る。


 「…きょおこそぉぉぉぉぉぉぶっとばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!!!!!!」と叫んでいる上半身裸の少年?が、丘の前を駆け抜けていった、すると間もなく、同じくらいの身長で背中に剣を携えた少年?が、「まちやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、あいつはぁぁぁぁぁぁおれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぶったぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃる」と叫びながら駆け抜けて行く。


 その姿を見送っていると、「まってよぉぉぉぉぉぉ」と体の大きく背中に盾と大検を持った、もっさりとした男が走って行った、そして、「こぉらぁぁぁぁぁまてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」と、今度は、背中に弓を背負った女性が駆け抜けて行く…、そして…。


 「まってぇぇぇぇぇぇぇ」と腕を横に振りながら走ってくる神官の女性、その後ろに髪の長い男がついて来た。


 クラウトは、フードのモノの後ろに立ち、その光景を見ていた。

 そのそばにアサトが来てクラウトを見ると、なぜかクラウトが目を閉じて、険しい表情を見せながら、おでこに手を当てていた。

 その意味は分からないが…。


 一同が止まっていると、「あっ…」とアリッサが声を出した、その瞬間「…かぁぁぁぁぁぁ忘れてた!貴様!なにさらしとんじゃ!」とケイティ。


 …ってか、なんか人格変わってきているんですが…。


 「なら…」と少年。

 ケイティの胸をツンツンとすると「きゃっ」と可愛い声をあげ、椅子を放り投げて胸を押さえたケイティは、何故か頬を赤らめていた。


 「へぇ…、セラよりあるかも…」と言うと…、アサトの目の前にいるフードのモノの頭?あたりがピクっと動いた、瞬間、踵を返したように少年へと向かって進み、そして、手にしていたロッドで頭を小突き始めた…。


 「…おい!もっかい言ってみろ…」と言うと、小突く。

 「セラよりも…」と言うと、頭を小突き「わしは…あれよりも小さいのか?」とケイティをロッドで刺すと、胸を隠しているケイティを見てから、外套のなかで自分の胸を触り、「もっかい言ってみろ?」と少年を小突いた。


 「…だから…セラよりも…」と言うと、頭を小突く、小突く、そして、小突くと「セラよりも無い!」と叫ぶ。


 すると「何?私が貧乳で、そのセラってのより無いって言ってるの?」と言いながら、少年の前に立ち平手打ちをすると、指をさし、「もっかい言ってみな」と言う、すると少年は、「セラよりも…無い」と言うと、その言葉に平手打ちをして、「もっかい…」と言う、「…セラより…無い…」と言った瞬間、平手打ちが少年にくらわされて、「…もっかい(怒)」と言うと「…セラより……あ…る…」と言葉にした。


 すると、フードのモノがロッドで小突き、「もっかい、どっちがあるの?」と言う、それを見ていたアサトは、


 …いつまでやるの…。


 と思っていると、再び、先ほど向かっていった連中…と言うか、上半身裸の少年の声が聞こえて来た。


 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、こっちかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ウォォォォォォォォォォガぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁきょうこそぉぉぉ…おまえおぉぉぉぉぉぉぉぉぶっとばぁぁぁぁぁす!」と言いながら来た道を戻って来た。


 すると間もなく、同じくらいの身長で背中に剣を携えた少年?が、「まちやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、あいつはぁぁぁぁぁぁおれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぶったぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃる………」と叫びながら駆け抜けて行くと、なんと、オーガ?がその後ろを走ってゆく…。


 その姿を見送っていると、「まってよぉぉぉぉぉぉ」と体の大きく背中に盾と大検を持った、もっさりとした男が走って行った、そして、「こぉらぁぁぁぁぁまてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」と、今度は、背中に弓を背負った女性が駆け抜けて行く…、そして…。


 「まってぇぇぇぇぇぇぇ」と腕を横に振りながら走ってくる神官の女性と髪の長い男がついて来たと思ったら、女性がこちらに向かって手を振っていた。


 その手に返しているアサト。


 …ってか…なに?あれ…。

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