③
「あまり悠長にもしておれんが説明しなければならない。白鳥座の星雲の中にここと似た星があってな。そこの文明人がこの星の変化に気づいた。覇権主義の増長と拡大をセンサーが捉えたんだ。で、外宇宙に進出する前に君たちを滅ぼすべく軍隊を送り込もうとした。我々は異なる文明間の干渉は認めていないので通常は防ぐのだが、手違いがあって一隻逃してしまったのだよ。船には現場の指揮を担当するアンドロイドとロボット兵が乗っている。じきに兵が降りてきて生き残りの駆除にあたる。その後はコロニーへと改変する計画だ。……ここまで理解できたか?」
理解はできてもすぐに呑み込めるわけもなく琉は「まあ」とだけ答えた。
──外宇宙、銀河、人類の危機、コロニーへ改変……そんな話は俺が扱えるレベルをはるかに越えてるよ。国連だろそういうのはさ……
「そこで例外に対しては例外ということで我々はひとつの提案を持ってきた」
琉は老人から黒光りする小さな物体を渡された。小さめの携帯電話くらいの大きさで見た目よりもずっしりとした重さがある。親指があたる位置に紫色の丸い部分があった。
「爆弾だ。強力な。内部からなら宇宙船を一瞬で消滅できる威力がある。君を中に移動させるから移動後に即、そのスイッチを押してほしい」
長い沈黙のあいだ、琉の脳裏には様々な言葉が浮かんでいたが口をついて出たのは自分でも意外な言葉だった。
「……宇宙の塵になれと」
「ここで重要なのはあくまで君が君自身の意志で押すということ。他の誰かによる指示であってはならない。それは許されない。我々は戒律によって間接的な関わりしか許されておらんのだ」
管理人ということなら……この状況は管理側の責任じゃないのか?と、心のうちで思いはしたものの、琉はそこは黙った。もはや目の前の老人を問い詰めることに意味はない。いまこの瞬間、地球人としてどうするかの対応を自分は求められている。彼は老人の目を見つめて言った。
「話はわかった」
「さすがに反論はしないのだな」
「意味がない。俺がやるかやらないかだろ」
「その通りだ」
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