第3話 休憩時間にて

「何でなの。どうして」

 グループタイムが終わり、休憩の時間。一向に反応は伸びず、とうとう残すところ最終ステージまで来てしまった。

「私の何がいけないのかな。やっぱり、年齢、年齢なの? 」

 誰も聞いてくれる人のない言葉はそのまま天井に消えた。オマケに、パーティ中はどことなくムズムズしてきてしまい、何回もトイレに行く失態も冒してしまった。我慢できないほどじゃないけど、どことなく気持ち悪かったのだ。

 悶々としたものを抱えながらトイレを後にした、その時、男子トイレから声が聞こえた。

「え、貴方もですか」

「そういう貴方もやはり感じましたか」

「はい、あの三番の女性ですよね」

 自分のことをいきなり呼ばれたので、ビクんとなった。

「何か、怖いんですよね」

「そうそう。やたら股間に視線を向けてくるし」

「うん。ルックスはそんなに悪くないけど、あの視線には参りましたよね」

「正直、ドン引きしちゃいました」

 そんな他愛のないやりとりを聞いていた彼女は愕然とした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る