第2話 王女との結婚

次の日…王都へ着いていたカズマ一行はしばらくの間、観光を楽しんでいた

『お兄ちゃんが結婚を受け入れます。って言ったらアイリスは一体どんな反応するんだろうなー。』

『はいはい、カズマがそれだけ下っ端と結婚したいというのは分かりましたから…。』

『なんだ?「自分の方が可愛いですよ!」とか言わなくなったな』

『なっ、なにおぉ!私は素直に両思いのご結婚を祝おうとしているのに何ですかその言葉は!』

『いや、めぐみんって俺の事好きだったりしてたじゃん?だからアイリスと結婚する、ていうことになったらすげぇ反論してくるんだろうなーとか思ってたんだが意外とあっさりしてるんだな。』

『…別に、カズマの事は好きですがカズマは下っ端の事が好きで、下っ端もカズマの事が好き。だったらその2人を見守るのも恋敵のすべきものではありませんか?』

『ふーん、俺には乙女の恋心なんて分からんし分かりたくもないから』

『え……』

と、なんやかんやありながらカズマ一行は王城へ着いた。そこにはもうすぐカズマの妻になるのであろう王女アイリスがそこにはいた。勿論、クレアやレインもいる。

『お兄様!』

アイリスが年相応の笑顔を見せながらいきなり俺に抱きついてきた。

『おー、アイリス。久しぶりだな〜

魔王を倒すまでの間に色々な冒険譚を溜めてきたから聞いてくか?w』

『はい!是非とも……あ、その前に…』

『ん?』

『あ、あの、その、魔王を倒した勇者は、王女とけ、けけ、結婚する、という権利があるのはご、ご存じですか』

『あ、あー、分かってるよ』

『さっきまで分かってなかったのにね〜』と小声で言うアクア

…ちゃんと肘打ちしておいて、

『それで?どうしたんだ?』

『…え?そ、その、お返事は…』

『んーとなぁー』

アイリスの唾を飲み込む音が聞こえる

『……ダメ!』

『え…まあ、そうですよね、王女と結婚するなんて……』

『…の、反対!』

『え?じゃあ、お兄様は私と結婚してくれるのですか?』

『あぁ、するよ。これから宜しくな

アイリス。』

『あ、ありがとうござ、います。

本当に、本当に……!』

アイリスは嬉し涙を出しながら今まで見てきた中で最高の笑顔をしていた。

『ア、アイリス様ぁ!?あの様な男とまさか、け、け、結婚なさるおつもりですか!?』

クレアが当然の如く反論する。

『私が好きになったお兄様と結婚してはいけないのですか…?』

『結婚は良いのですがあの男だけはおやめ下さい!またアイリス様が毒されてしまったら……』

『お父様には了承を得ています。……それでも、ダメですか?』

『アイリス様のお父様はアイリス様に優しすぎるんです!あの男と結婚するのであれば私にも考えがあります!』

…なんかあの言葉何回も聞いた覚えがあるなぁ…。などと考えていると、

レインが、

『クレア様、アイリス様ももう異性の方を好きになったり結婚したりできる年齢なんですから、それにアイリス様のお父上がアイリス様の結婚を了承しているのです。私達が反対しても意味が無いですよ。』

『……っ。だが、しかし……。』

『アイリス様の結婚を貴方が破棄したと分かれば、アイリス様のお父様がどのような制裁を与えるかが溜まったものじゃないです。素直に認めてあげて近くでアイリス様を見守ってあげましょう。あの男がなにかアイリス様に不審な行為を与えたらクレア様らしく制裁を与えればよいじゃないですか。』

…なんか俺の悪口がさらっと言われた気がするんだが…。

『…う。…ま、まあ、そうだな!

あの男が何かアイリス様に手出しをしたら斬る!』

『おっと、なんか酷いですねぇ。

アイリスに忠誠心以上の忠誠があるあなたにアイリスが好きな男に暴力を奮ったらアイリスが悲しむぞ?もうすぐアイリスの夫になるんだからなw』

『はい!お兄様の妻です!』

『ア、アイリス様!?………なら、今制裁を与えてやる!今ならアイリス様とお前は結婚してないからな!』

『ちょ、おま、それはいくらなんでもおかしいだろ〜!?』

『問答無用!!』

『『『『『……………』』』』』

カズマとクレアの攻防を見守る

アイリス達であった。

『…お兄様はやっぱり、罪な男…ですね…。』

アイリスが言った言葉をうまく聞き取れなかった俺であった。

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