この姫君にもわがままを!

てんしょー

第1話 運命を変える手紙

……お父さん、お母さん、日本で

元気に暮らしていますか?…私は、

こっちでもなんやかんや楽しく過ごしています。……予め言っておきます…

俺は……俺は……………



ロリコンではありません





俺たちは魔王を討伐し、勇者として

その名を轟かせていた。そのせいか、

自然とお金は溜まっていき、個々でしたい事も全て出来ていてしまい、アクアは勿論、めぐみんやダクネスさえも俺と自堕落な生活を送っていた…。

そんなある日、一通の手紙が届いた。

『私が取ってきてやろう』と言い、ダクネスが取りに行ったその直後、

『お、おい!カズマ!大変だ!』

『どうしたどうした?俺達にまた

面倒臭い依頼でも来たのか?』と俺は面倒臭そうな顔をあらわにしていると

『違う!アイリス様からの……こ、こ、ここ、婚約状…なんだ…。』

『『『え???』』』

俺だけでなく、めぐみんやあのアクアさえもが目を見開き一瞬沈黙する…

その刹那、

『はぁ?おいおいダクネス何言ってんだよ。俺の愛する妹は王女様なんだぞ?たかが俺みたいなところに婚約状なんて来るわけがないだろう。』

『そうよ!あのカズマさんが結婚なんて…私が人間と思う程有り得ない嘘だわ!』

『アクアが人間なのは普通だと思うのですが、このお頭が愛する人を下っ端が奪うというのは聞き捨てなりませんね。』と各個人に言いたい事を口にする。

『お前達というものは……』とダクネスが続けて、

『魔王を倒した勇者には何の権利があるのか分かっているのか?』と言う。

『は?え?何があんだよ?』

『魔王を倒した者は王女様と、け、け、結婚する権利があるのだぞ!?』

『何ぃ〜〜〜!!?』俺は叫ぶ。

当たり前だ、愛する妹がわざわざ俺に

婚約状を送ってくれたんだ。国の情勢とか王女には色々背負わなければらないものがあるのに、だ。これを見逃さない俺ではない。

『よぉ〜し、ダクネス!アクア!めぐみん!早速王都に行くぞ〜!』

………という事で王都に行くことに

なり王女と結婚、という事になった

元冒険者現勇者のサトウカズマ。

『来た理由がアイリスの婚約を受け入れるって事を知ったら白スーツの奴どんな反応するんだろうな〜』

『お前、いくらアイリス様からのこ、婚約状としても王城に行く時の礼儀作法はちゃんとしておけよ…。また私が恥をかくのはもうゴメンだからな。』

『分かってるって。あくまでも俺は今は勇者だ。それなりの礼儀ってもんは出来てる……つもりだよ。』

『馬鹿者!何だ今の間は!…ったく、本当に頼むぞ?』

ダクネスの不安など俺は完全に無視していて婚約を受け入れた時のアイリスの表情を妄想していたのだった。



その頃、王城では…



『アイリス様!?本当にあの様な男とご結婚なさるおつもりですか!?』

『しーっ、声がでかいですよ。それに既にお父様には了承を頂いております。…ですので、クレアには内緒ですよ?』と片目をつむりながら人差し指を唇に当てながら話すベルゼルグ王国の第一王女アイリス。

『……は、はい。承りました。では』

レインが去っていき、自分の部屋に入ったアイリスは、

『あ〜〜〜!送ってしまいました〜!で、でもお兄ちゃんなら、この想い、分かってくれます…よね?』と、枕を抱きながら言うアイリス。

『お兄ちゃんの表情を見てみたいものです…。…………ふふっ、お兄ちゃんは罪な人ですね♥。明日が楽しみで仕方がないです。お兄ちゃんは魔王を倒した者は王女と結婚する権利がある事を知っているのでしょうか?…も、もし知ってなかったから婚約を破棄されお頭様の所へお兄ちゃんが行ってしまいます…。そ、それだけは何とかして気をつけないと…』と、心配をしながら眠ったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る