第33話 あなたはよいこ

「良い子」と呼ばれ

表裏二面の仮面を揃えれば

「頑張れ」と言われ

頑張っていると答えられずに

期待の青は曇天に染まり

焦燥の沼に沈めていく

ボロボロの皮膚を褒められて

泥まみれの顔を褒められて

枯れた声を褒められて

「愛されないよりマシだ」と

吐き捨てゆく

歩くべき道を歩けると言われ

動かぬ足を無理に進めたなら

辿り着く先の

断頭台に夢をみる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る