第32話 双肩
か細い双肩の上
あらゆる重荷を積んで
君はできると言われながら
必死に両足で立ち歩く
フラフラとした足取りも
クラクラとした脳髄も
コートの中に包んだままで
足跡を振り返りつつ
だれもこの後に続かないことを
ただただ祈りながら
擦り切れた革靴を
間に合わせで誤魔化して
ただただ歩いて行く
辿り着く末も知らず
「君はすごい」と
言われながら
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