第14話 彼女

彼女を私は愛してやまない

朝昼晩、食後の接吻とてかかすことはない

金などいくらでも貢いであげよう

浮気なんて好き勝手にすればいい

私のもとに居てくれるならそれだけで構わない

彼女のためなら苦手な朝も

まるで出来過ぎた執事のように私は動き始める

彼女が化粧や香水を変えれば

世界中の男女があれやこれやと騒ぎ立て

騒ぎ立てた癖に結局また虜になってしまう

彼女は人生を蝕み

この世で最も優しい睡眠さえも阻害する

彼女は世界に憎まれながら

彼女は世界に愛されている


彼女の一番良いところは

五百円で二十回もの情熱的なキスを許してくれることにある

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