第76話 2ー1

 地元に戻ってきて最初に思ったことは安心感だった。慣れ親しんだ霊脈が肌を通ることで帰ってきたという実感を覚える。

 京都の霊気はなんというか、大きすぎるし強すぎる。それに龍脈が二つもあるせいか居心地が悪いというか。魑魅魍魎もかなり湧いてるし、いくら都市とはいえ住みにくい街だと思う。暮らすなら地元が一番だ。


 天海とは駅前で別れた。天海は駅前のマンションに住んでいるので、街の外縁部に住んでいる俺たちと一緒に歩くということはなかった。

 星斗もいまだに京都にいるので、俺のことを注意するような人もいない。なので式神を出して空から家に帰った。ミクももちろん実家に帰るのだが、確認することもあるので今日は俺の家に泊まることになっている。

 日が暮れる前に家に着き、そのまま父さんの部屋に入る。ゴンたちも全員姿を見せていて、瑠姫と銀郎は膝をついて頭を下げていた。


「父さん。珠希と一緒に帰りました」

「うむ、お帰り。珠希君も三か月ぶりだな」

「はい、御当主様。ご無沙汰しております」

『康平殿。難波家式神筆頭銀郎、ならびに瑠姫、帰還しました』

『帰ったニャ』

「ああ。二匹もお疲れ様」


 父さんは椅子に座ったままそう告げる。さて、余裕な表情もいつまで保つものか。なにせ大天狗の変では星を詠んだせいで帰るし、その後はこっちから電話をすることもなかった。向こうからもかけてこなかったし、こうやって直接聞き出そうとしていたからそれもいい。

 どうせ母さんは面白がって隠していたのだろうし、ミクの両親は父さんに言われて隠していたのだろう。ならそこは責められない。責めるべきは目の前の人物だ。


「父さん、弁明は?」

「……婚約者の一件か?」

「それ以外にあると思う?別に大天狗の変の時に顔を見せなかったことは良いよ。たとえ逃げたとしても」

「まあ、未来を詠んでいたからな。……お前なあ。もう少し告白のセリフはしっかり考えられないものか?あんな馬鹿正直な、小学生のような告白をして。私が母さんに告白した時はな……」

「本ッ当に未来視と千里眼を持ってる人は面倒だな……!」


 父さん相手にプライバシーなんてあってないようなものだ。それに過去視もあるから、望めば見たいものを全て視てしまう。そんな規格外に人の一世一代の告白を視られていたとか、本当にむかつく。

 俺にもっと星見の才能があれば、父さんが覗こうとしていることを防げるのに。星見ってどうやったら成長するのかね。父さんやゴンから色々教わっているが、過去視はできても未来視は一向にできない。過去視だって寝ている時に視るものは望む過去を視ているわけでもないし。


「成人したとはいえ、お前たちは結婚出来るまであと三年あるんだぞ?それまでは婚約関係にするしかあるまい」

「それを本人に言わない理由を聞いているんだよ……!」

「未来を視たから。それだけだ」

「未来視って言えば何でも通ると思ってる?」

「事実お前は、どんな星を詠んでも珠希君としかくっつかないぞ?そうわかっていたからこそ、お前を後押しするために婚約を結び付けたというのに。なにせお前は珠希君のことになると途端に意気地なしになるし、他の女の子から好意を寄せられていても全く気付く素振りがなかったからな」

「俺のプライバシーはどこだ!」


 思わず大きな声が出てしまった。これまでの人生全て父さんに視られているのではないかと思ってしまうほど観察されていた。というか父さん、確実に学校生活まで覗いてやがる。どんだけ暇なんだよ。


「何でかモテるんだよな、お前。母さんに似て美形だからか?」

「知らないよ。そういう父さんもモテたのでは?」

「おう、モテたぞ。バレンタインデーの時には大きな袋に入れる程のチョコが来てな。全部銀郎に食わせていた」

「人の気持ちを何だと思ってるんだよ……」

『いや~。アレは大変でしたね。あんなにチョコを食べたのは初めてでしたよ。坊ちゃんはそういうことなくて助かりますが』


 銀郎が感慨深そうに頷いている。そんなに大変だったのか。俺なんてチョコ貰ってたのはミクと母さんと瑠姫からだけだったのに。

 というか他の女の子って誰?告白されたこともないし、俺に積極的に関わろうとしてくる女子なんていたか?それで気付けって言われてもなあ。

 だからミクにも鈍感って言われるのか。むしろ気付ける人って自意識過剰な人か、人の心を読める人なんじゃないか。


「とはいえ、俺もお前もモテた理由は地元の名家の人間だからだろうな。星斗も地元ではモテていたからな。京都に行ったらいきなりパタリと波が引くのも我が家ならではというか」

「……そんなに俺の事監視していて、職務はしっかりとこなしているんですか?」

「もちろんだとも。呪術省には適度に牽制を。裏の世界の住民とは表の住民に被害が出ないように抑制を。それに毎日お前の事を視てるわけでもないからな。大きな事件については毎度確認しているが」

『その辺にしておけよ、康平。あまりの情報量に珠希の頭がショートしている』

「おや」


 ああ、告白のこととかその後のことも視られてたと思ったら頭から湯気を出してもおかしくはないか。しかも星を詠んでわかり切ってたとか言われたらなあ。父さんは表の住民からしたら最高峰の星見だし、その星見を外したことがない人物。

 星にも確定されているなんて、まるで運命みたいじゃないか。


「明には珠希君しかいなかったというのが星々も認める事実なのだが。明が珠希君以外の女の子を愛していた時は、珠希君が産まれていなかった時だけだろう」

「なんて壮大な仮定話……」

「二人が思い合っているなら問題はあるまい。式は高校卒業と同時に挙げるか?」

「父さんと母さんはお似合いだなって今再認識したよ!思考が一緒だ!」

「よせよ。照れる」


 なんだこのバカップル。どんだけ子どもたちをくっつけたいんだ。いや、くっついたけど。子どもというか、孫の顔が見たいのか?


「……婚約の件はもういいや。Aさんや姫さんたちは協力者でいいんだよね?」

「……姫くんは協力者でいい。難波とも懇意にしている人物だ。だが呪術犯罪者であるAはこちらに危害を加えることもあるからな。鬼二匹の恐怖はわかっているだろう?」

「ああ……。できれば敵対したくないんだけど」

「あの人たちは根本的に、日本をあるべき姿に戻したいだけなのだ。玉藻の前様が親しんでいた日ノ本。そして妖とも融和した世界。それを望んでいるだけだ。……呪術省を彼らが滅ぼそうとしたら、お前たちは自分の考えでどうするか決めればいい」

「父さんたちはどうするのさ?」

「どうなってもいいように備えておく。この間妖のことは公表したが、土地神のことはまだ隠したままの呪術省だ。信用はできんよ」

「だよね」


 その後は母さんにも帰った報告をして、その後は地元を探索しつつもゆっくり休んだ。日本が変わってから初めて帰ってきたが、この辺りは大きな変化もなく、高校に上がる前の状態が続いているようだった。

 あと驚いたことに、市役所はもう新しい棟が建っていた。蟲毒が全壊させたはずなのに半年ちょっとで立て直すとか頑張ったなあなどと思いながら、ミクと一緒に散歩をしていた。


────


 夏休みなので久しぶりに朝をとてもゆっくり起きて、朝ご飯を食べてもしばらくゆっくりしていた。成績表を父さんたちに見せたりしたが、こんな帰省してから初日で宿題をやるつもりもなかった。

 ミクもあと二日滞在したら実家に帰るということだ。数日帰ったらまたこちらに来るようだけど。


 日がちょうど真上に上がりそうな頃。この辺りは避暑地としても有名なだけあって、盆地ではなく山間にある場所なので比較的涼しい。京都は盆地だったから暑かったけど、こっちはそれと比べるとなんと天国か。エアコンを使わずに扇風機だけで充分過ごせる。

 居間でテレビを見ながらゆっくり過ごしていると、瑠姫がエプロン姿でやってきた。時計を確認すると昼ごはんの時間だ。


『坊ちゃん、珠希ちゃん。ご飯作っていい?久しぶりにこっちで生野菜見たら野菜スペシャルの満漢全席作りたくなったニャ』

「昨日も作ってただろ?それに朝ごはん食べたばっかで満漢全席は重すぎて無理。……タマさえよければ出かけようと思ってたんだけど」

「あ、大将さんのお店ですね?」

「そうそう。帰ってきたし行きたいなと思って。というわけで瑠姫、俺とタマ、ゴンの分は要らないから。むしろお前と銀郎も行くか?」

『本当に好きニャンだから……。あちしは遠慮しておきますニャ。旦那様達にご飯作るって言っちゃったし』

『あっしもいいです。あそこ、あまり大きなお店じゃないから大人数で行っても迷惑でしょう。それにたまには瑠姫のご飯を食ってやらないとまたへそを曲げられるんで』


 瑠姫と銀郎は大将のお店に行った回数はミクと同じくらいか、下手したらミクより少ない。瑠姫が行かないのは俺たちを取られたようで対抗心を抱いているからとわかるのだが、銀郎の場合はその時はまだ家の式神で、父さんの護衛が主だった。父さんをほっぽってラーメン屋に来るわけにはいかなかったのだろう。

 あとこの二匹は仲が良いんだか悪いんだか。銀郎は素振り的には結構瑠姫のことを嫌っていそうなのに、こうしてご機嫌取りもしようとしている。ゴンよりは付き合いが長いから、お互いの事理解しているとかそういうことだろうか。


「そんじゃ行ってくるよ。今から行けばお昼のピークから外れてるだろうし」

『了解です。いってらっしゃい、坊ちゃん、珠希お嬢さん』


 父さんたちには伝えずに出かける。割かし放任主義というか、お昼どうするとかそういうことを管理しているのは瑠姫だったりするので、瑠姫にさえ伝えておけば大丈夫なのだ。

 式神を出して大将のお店へと向かう。空から行けば大体十五分くらいだ。お昼のピークは避けたはずなのに、まだ数人並んでいた。お店が小さいこともあるが、夏休みということもあって学生も並んでいた。


 ネットとかでも郊外にある隠れ家的存在ってことで地元じゃそこそこ有名なお店だし。並んでいてもおかしくはない。土日とかだと結構並ぶし、大将と娘さんしか働いてないからな。回転率はどうしたって落ちる。もう一人くらい雇えばいいのに。

 並んで二十分ほどしてようやく中に入れた。夏の日差しとか暑さとかそういった不快になりそうな物は全て陰陽術で防いでいたので待つのも苦労しなかった。本当に陰陽術って便利だ。

 俺たちを呼びに来た娘さんは、俺の顔を見て気付いたのか笑いかけてくれた。


「あら、明くん。来てくれたの?」

「はい。学校が休みに入ったのでこっちに帰ってきました」

「今京都だもんね。カウンターでいい?」

「もちろんです」


 案内されてカウンターに座ると、厨房にいた大将も俺に気付いたのか、作業は続けながらこっちに話しかけてきた。


「久しぶりじゃねえか。祐介の方はいねえのか?」

「なんかお金を稼がなくちゃいけないらしくて、京都でアルバイトしてますよ。こっちに帰ってきてすらいません」

「高校生になったばかりだろ?てえへんだな」


 久しぶりの会話も終えて何を注文しようかと悩む。今日の期間限定メニューはサラダラーメン。いつぞや言っていた女性向けのフレンチ系ラーメンというのを完成させていた。さすがだな、大将。

 お店の中を見てみると、女性客が増えていた。サラダラーメンを頼んでいる人が多いだろうか。麺の量があまり多くなく、野菜が多いのでヘルシーで女性は頼みやすいのだろう。

 さすがにアレは健康的過ぎるというか、おそらく量的に物足りない。大盛りできませんって書いてあるし、期間限定のメニューは良いや。どシンプルに中華そばにしようかな。ん?平打ち手もみ麺始めました?俺が居なくなってから増えたな。これにしよう。


「そういえば明。裏メニューもあるんだが、それを頼まねえか?」

「明文化されてないメニューですか?」

「ああ。二郎系インスパイアの──」

「結構です。タマ、注文決まったか?」

「はい」

「返事速いな。……まあ、そんなメニューないんだが。スープを一から作るのも、匂いもきついから作るのが大変だしな」


 冗談だったのか。そんな豚骨系の匂いしなかったからおかしいとは思ったけど。二郎系はもうこりごりだ。あんなものは食い切れない。


「アレはラーメンとはまた別の食べ物だからよ。鶏じゃあの味は出せないし、一生作らないとは思うが、若者はああいうのが好きなんだろ?」

「人によりますよ。俺は無理です。タマは何にするんだ?」

「せっかくなのでサラダラーメンにしようと思います。期間限定みたいですし」

「じゃあ注文お願いします」

「はーい」


 娘さんに注文をする。中華そばの平打ち手もみ麺とサラダラーメン。あとは。


「後になってからいつもの」

「はいはい。じゃあお父さん、お願いしますね」

「はいよ」


 あと三十分くらいでお昼の営業が終わる。お昼にちょっと閉めて、夕方にもう一回お店を開いて夜になる前にお店を閉める。それが飲食店の常識だ。冬になると夕方は既に暗いので、お昼にお店を閉めないでそのまま夕方までやっている飲食店もあるが、この大将のお店は絶対にお昼休みを挟んで短い間でも夕方にお店を開く。

 年齢的に朝から働いていたら三時前に休憩を取らないと身体が持たないのだとか。で、売上的にも夕方は開かないと厳しいらしい。夜、というか八時頃から魑魅魍魎が出始めるなんてあくまで目安だし、最近だと弱い魑魅魍魎でもずっといることもあるから少し厳しいものがあるだろう。


 閉店に近付くと、さすがに人が減ってきた。そんな中運ばれてきたのは茶色いスープに透明な油が浮いた見た目昔ながらの中華そばという感じのラーメンと、七種類くらいの色鮮やかな野菜で彩られた冷たいスープが下にあるサラダラーメン。

 中華そばの方はナルトが特に昔のイメージを印象付けてくるのだろう。今の中華そばってあまりナルト入ってないし。大正のお店のラーメンはつけ麺でない限り細麺のストレートだったが、今回のは中太麺のちぢれ麺だった。ミクの方は前のと同じ細麺のようだ。


 ミクのサラダラーメンはゴマ味のラーメンのようだ。細く切られたニンジンや薄く切られたアーリーレッドの玉ねぎなどの野菜の他にも、細切れのベーコンや八等分された茹で卵が乗っていた。女性受けしそうな見た目だ。さっき食べていた女性も携帯で写真を撮ってたし。ああいうのがSNSとかに上げられて宣伝になればもっとこのお店も繁盛するんだろうな。

 目線を自分の前のラーメンに戻す。まずはスープだ。醤油と鶏ガラのスープは変わらず、初めてラーメンに感動した味は色褪せていなかった。京都で食べた鶏ラーメンよりも鶏が主張してこず、醤油とのバランスが凄く良い。


 今までは細麺だったが、中太麺でさらにちぢれ麺のために箸で持った感覚がまず違う。細麺はまともに持たなければ重くはないが、この麺は軽く持つだけで重い。ちぢれ麺だからスープとどう絡むのかと思っていたら、結構絡んできて美味しい。

 麺自体がモチモチしているので、細麺とは違った食感が楽しい。つけ麺と似た食感で暖かい麺が食べられるというのは面白いかもしれない。味も悪くない。


「明くん、交換しますか?」

「そうだな。あと娘さん。いつものお願いします」

「はーい」


 お客さんが他にいなくなったので、ゴンが姿を見せてカウンターに座る。ミクと麺を交換して食べるが、野菜と面がゴマダレに絡まってつるっといける。夏だしこの冷たいスープというのは清涼感があってかなり食べやすい。

 野菜も彩はもちろん、味も食感も別々なものばかりなので食べていて飽きが来ない。冷やしラーメンとしてはかなり美味な部類だろう。


 もう一度麺を交換した頃に角煮丼と味玉がやってくる。それにがっつく我が家のお稲荷様。何回か食べたことあるけど、実際あの角煮と味玉は美味しい。ちゃんとサイドメニューまでしっかり作っているから繁盛店になっているのだろう。

 それからすぐに二人と一匹は食べ終わってしまった。やっぱり原点のお店は格別だ。


「ごちそうさまでした。手もみ麺いいですね。モチモチで美味しいです」

「サラダラーメンも味が濃くなくてとても食べやすかったです。健康を気にする女の人でも食べたくなるラーメンですね」

「そいつは良かった。ただ手もみ麺はいつまでやるか未定でな。麺を別で用意するっていうのがけっこう手間でよ。今はそれこそサラダラーメンのゴマダレとか細かい物の用意が大変でな。やれる範囲でやるけど、いつまでかは俺にも分からん」

「というか大将、よく二人でお店回して朝の仕込みも間に合いますよね……。大変じゃないですか?」

「もう慣れちまったからな。最初なんて大変だったぞ?それこそお店開けない程間に合わなくてな。開店を三十分遅らせちまった」


 大将から開店当初の話なんて初めて聞いた。開店してすぐに来たはずなのに、その頃にはすでに問題なくお店を回していた記憶しかない。父さんはどうやってこんな外れにできたラーメン屋の存在なんて知ったのだろうか。大将と結構歳が近いから、昔からの知り合いとか?


「しかしお前、祐介と来る時は必ず姿を偽ってたくせに、彼女や家族と一緒に来る時はそのままで来るんだな」

「えっ⁉タマと付き合うことになったってまだ報告してなかったですよね?」


 どうして気付いたんだ。そんなに前来た時から俺たちの様子は変わっていただろうか。最後に来たのは京都に行く前か?

 そう聞き返すと、ミク以外にため息をつかれてしまった。


「何でまだ付き合ってなかったの?あんなにわかりやすかったのに」


 とは娘さん。


「あんだけ甘酸っぱい桃色空間作っておいて、今さらだなあ……。年食ったおっさんには眩しくて仕方がなかったっていうのに」


 とは大将。


『お前ら、本当に自分たちの姿がどう他人に映ってるか理解してなかったんだな……。街中でも平然と手を繋いでたのに、ただ仲が良いで終わるわけじゃないんだろ?人間の間じゃ』


 とはゴン。

 そ、そんなにわかりやすかっただろうか……。もしかしてクラスメイトにもバレているんだろうか。別段言ったわけでもないんだが。


「ああ。俺たちが知ってたのはお前の父親に聞いたからだ。仲良いんだなって聞いたら婚約者だって答えられて、名家は違うねえって思ったんだったっけ」

「本当にあの父親は、息子たちに伝えないで他人にはそうやって広めていたのか……」

「あん?知らなかったのか?」

「二か月前までは。困った父親ですよ」


 それからは京都で食べてきたラーメンについて語って、あとついでに学校生活や京都で起こった事件について話していた。事件に全部巻き込まれていることを話すと娘さんに凄く心配されたが、今は平気なのでなあなあで済ませた。

 入院したことは言わない方が良いと思ってあえて伏せた。あとはゴンが娘さんにめっちゃ撫でられていたが、俺たちがやった時のように抵抗らしい抵抗を見せなかった。どんだけ心を許してるんだよ。弟子の天海にやられたら嫌がったくせに。


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