キネへの手紙

ぼくのたいせつな友だち キネへ

 

 いつも、お手紙を読むのは日がしずんでからと書いていたので、こんばんわ。

 お昼になってまた読んでるときのために、こんにちは。

 もうちょっとで夏になりますね。ぼくの住んでる山の村は、山のことをべんきょうしていたら知っているかもしれないけど、いちにちじゅう日かげになることもあるところなので、夏がきて今よりかあたたかくなるとうれしいです。

 海はどうですか? 日がずっとでているところの夏はあつくてたいへんですか?

 キネのおうちがあつくてたいへんなところじゃなかったらいいなあと思います。

 

 そういえば、この前のおへんじでインクがお花のにおいがするって書いてましたね。ぼくは、つたあぶらのインクのにおいみたいなお花は知らないので、海にだけさくお花のにおいかもしれませんね。

 ぼくはヒナアオイのお花のにおいが好きです。ヒナアオイは山の下のほうにだけ、はえてるお花です。花びらが水色か白色で、虫かごをさげる平がさみたいなかたちで、とてもあまそうでおいしそうなにおいがします。でも食べたら苦かったです。

 前も書いたけど海にはおりたことないです。もうぼくもそんなに小さいこどもじゃないので、海に行ってみたいです。

 おじいちゃんに谷わたりとたびするにはまだ早いと言われるんだけど、海に行ってキネのいるいかだのむらを見てみたいです。

 

 この前、村にいどう図書がきていました。山のれきしの本と海のことを書いてあった本をかりました。

 それでキネが書いてた「あみの目ばたけ」をしらべました。ぼくも知らなかったです。もっと山の谷にちかい上のほうだと、イシワタリグモのなわをたくさん谷にはって、それで水とかのう作物を作ったりするみたいです。

 ぼくの村だと反対がわの山はとおいので、あみの目ばたけは作られないんだそうです。なので、ぼくの村にキネがきても、あみの目ばたけを見せてあげられないのでざんねんです。

 でも、うえのくにのおまつりがあるときにあみの目ばたけのちかくみたいなので、お手紙に書けるように見てきますね。

 おまつりにはヨルのくにのまほうつかいもくるんだそうです。まほうつかいだって! キネはまほうつかいにあったことがありますか?

 

 夏がきたらキネのおたんじょう日ですね。もしかしたら、キネのおたんじょう日のちかくにこれがとどいているかもしれないので、先に書いておきます。

 キネ、おたんじょう日おめでとう!

 ひとりで海をたびをするのは、ぼくよりお姉さんだけどキネもまだ大人じゃないから、すごいことだと思います。おうちよりちょっと大きい島というのがふしぎです。島もやっぱりこどもはちいさいんですね。

 おおなぎに気をつけて、旅をがんばってください。海のおまもりになるとおじいちゃんが教えてくれたので、ミリクサの実のうでわをいっしょに入れます。キネがちゃんと島を海かるものにできるように、おうえんしています。

 またおへんじください。

 

 山のちいさいねこのシシトトより

 


 ついしん、キネがいかだのむらじゃなくて子島にいるときは、どこあてって書いて手紙を出したらいいですか?

 おへんじで教えてください。

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