第35話 777回の転生の中にある。仲間が追い込まれている光景

 うん。無駄のないステップだ。


【しかし二角ラビットたちには効果がないようだ】


 だろうな!

 カルバン何をしている‼︎ 素早さを生かした攻撃をすると思いきや、なぜステップのみなの? えっ? 本当に戦士なんですか? どうなんですか?

 俺の疑問はいつになったら解けるのであろうか。


 そうこうしていると二角ラビットAが遊者に体当たりをしてきた。


【二角ラビットAの攻撃、遊者(ライト)は1のダメージを受けた】


 まあいつまでも0のダメージとはいかないよな。

 更に二角ラビットBが遊者(ライト)に攻撃してくる!


【二角ラビットBの攻撃、遊者(ライト)は1のダメージを受けた】


 確か遊者(ライト)のHPは3だったから、残り1か!

 遊者(ライト)は跪いてしまう。


「くそ‼︎ 遊者である俺が、こんなところでやられるわけにいかねえんだよ!」


 ......それ以前のスライムにやられているけどな。


「おいどんたちは強くなったはずなのにどうして?」


 えっと、戦い方を覚えるべきかな。カルバンの場合は無駄なステップをなくすこと。

 遊者(ライト)は変にカッコをつけながらゆっくり立ち上がる。


「だが、ここは男のプライドが許さねえ。仲間一人守れないんじゃあ、いざという時守ってもらえねえじゃないかよ‼︎」


 遊者(ライト)は俺以外で初めて剣を抜いた。

 ......ん? セリフおかしくなかったか? 仲間を一人守れないようじゃあ......の次に続く言葉って【勇者失格だろ!】のはすだ。

 なのに、いざという時に助けてもらおうとは......遊者(ライト)らしいか。


「俺の編み出した必殺技を見せる時が来るとはな」


 必殺技ね。ぜひ見せて欲しいものだ。


「その名も枕の一撃‼︎」


 えっ? 枕スラッシュじゃないの? 仮に枕スラッシュだとしてもだよ。

 武器が枕じゃないから使えないからね!

 遊者(ライト)は自分の装備が枕ではないことに気づいたようだ。


「俺が今持っているものは.....剣」


 いや、初めから分かっていただろ?


 二角ラビットAの攻撃が遊者(ライト)に向かって攻撃をしようとしていたが、カルバンがその攻撃を庇った。


「ぐはああでごわす」

「カルバン!」

「おいどんは遊者を守るのが役目。このくらい容易いでごわす」


【カルバンは7のダメージを受けた】


 さあ、追い込まれたぞ。どうするのだ?

 カルバンはとっさにポケットに手を入れた。

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