第34話 777回の転生の中で戦いを見守るったことあったか?
それはそうだ。夜な夜な女性会をして、女性の一大イベントが終わったばかりだ。寝ていても仕方がない。ここはお前らが倒してくれるのだからイムが寝ていたところで問題ないよな?
ところがだ‼︎ 遊者(ライト)とカルバンの顔に生気を感じなれなかった。
「なあカルバン、俺ら戦う意味ある?」
「ないでごわす」
あるだろ! 目の前にモンスターがいるんだから‼︎
俺は戦意喪失......いや目的をなくした遊者(ライト)どもに喝を入れるため寝ているイムをお姫様抱っこをし、遊者(ライト)を見る。
「おい、お前ら」
「んだよ! 忙しい時に」
「おいどんは逃げる準備中でごわす。邪魔しないででごわす」
「いいんだな?」
「はぁ? 何が?」
「寝ているイムが何か拍子で起きてしまった時、怒りの矛先はどこに向かうんだろうな?」
「モンスターに決まっているでごわす」
「フッ本当にそれで終わると思うのか?」
俺は威圧を使った。モンスターほどではないが、俺にも多少は出来る。
まあ勇者としては必要ない能力だと思っていたが、まさか仲間に使うことになるとは。
遊者(ライト)とカルバンは震えだした。おっ俺の威圧も効果があるようだな。
「セブンが変な顔した」
「笑ったら負けでごわす」
「セブン、笑わせんなよ」
遊者(ライト)とカルバンは笑うのを堪えているようだ。
困った俺の威圧は......バカには通じないようだ。では方法を変えよう。
「イムを私が自ら起きるまで、ちゃんと寝かせてね。だとよ」
「イム様がそう言ったのか?」
「ああ」
「その言葉に嘘はないでごわすな?」
「ああ(嘘だが)」
遊者(ライト)とカルバンは二角ラビットに体を向けた。
「イム様がそういうのなら」
「戦わないといけないでごわす」
......お前らどんだけ単純なんだよ。イムに申し訳ないがこれからはこのパターンでこれからも遊者(ライト)とカルバンにお願いしよう。まあイムが寝ているとき限定の方法だけどな。
とりあえず、俺もイムを抱えたまま戦いたくないので遊者(ライト)とカルバンに強化の中級魔法【スタイルプラス】を唱えた。この魔法は攻撃力、防御力、素早さ、魔法防御を見方全体にアップさせる魔法だ。すると遊者(ライト)とカルバンは驚いた表情をしている。
「なんだこの湧き出てくる力は!」
強化魔法な。
「もしや、これがおいどんに秘められた力でごわすね」
強化魔法だ。
「これなら素手で行ける!」
行くな! 剣を使え‼︎
「でやあああ‼」
【遊者(ライト)の攻撃! 二角ラビットに3のダメージ】
遊者はガッツポーズをしている。
「どうだ! これが遊者の力だ」
......仮に遊者の力だとするのなら、あまりにも平凡すぎるな。
カルバンはチッチッチッチと人差し指をメトロノームのように動かして遊者(ライト)の前に立った。
「ライト、おいどんよりも弱くなってしまったでごわすな」
「なんだと!」
「ご覧にいれようでごわす‼︎ おいどんの攻撃を!」
【カルバンは巧みなステップを踏んだ】
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