第33話 777回の転生して勇者になって初めて『仲間に任せてみようと思います』
イムよ、まさか蘇生魔法まで使えるのか? どれだけ優秀なんだ。
「イム、蘇生魔法をいつ覚えたんだ?」
「あっ神様にお願いしたら、いろいろサービスしてくれたよ」
なんだ? いろいろサービスって。それが出来るのなら最初から俺にもやれという話だ。
「でも、一つだけ条件があるって言われて......」
「条件? 変なことじゃないだろうな? もしそうなら俺がぶっ飛ばす」
「あっ嫉妬してくれてるんだ。可愛い。でも私はセブンだけのものだから」
イムは俺に抱きついてきた。
俺は恨みのつもりで言ったのだが......。まあそうこうしていると俺に対して嫉妬の炎を二つ確認した......説明するまでもないが。
「当たり前のことだから大丈夫。その条件があるから回復魔法全般や補助魔法をつけてくれたの」
その条件が気になるが、イムが大丈夫というのであれば心配することはないだろう。
遊者(ライト)は配列の後ろ歩きながらここぞとばかり、イムに話しかけてきた。
(俺、イム、カルバン、遊者(ライト)の順で歩いている)
おい、遊者だろ‼︎ と思うのだがな。
「ってことは、俺らがもし危なくなってもイム様が回復してくれるってことだよな?」
「そうでごわすか。では、頑張れるでごわす」
こいつらときたら現金な奴らだ。
イムは本当の笑顔から作り笑顔にシフトし、
「魔力があれば回復するね」
......する気はないようだ。おそらくだが【行けたら行くね】と同じ意味合いだろう。
そもそも回復する前に棺桶と仲良くしているだろうから、回復など出来そうもなさそうだな。
イムの言葉の意味を汲み取れない遊者(ライト)とカルバンは分かりやすくやる気を出した。
すると、大きな二本のツノがあるウサギが2匹、俺たちの前に現れた。
おっやっとスライム以外の敵と出会うことができた。
すると、遊者(ライト)とカルバンは自信があり気な顔をして俺たちの前に来た。
「ここは俺たちに任せてくれ!」
「二人は結婚したばかりでごわす。ここは勝利という花を添えて添えてあげるでごわす」
なんとカッコいいことを言ってくれるじゃないか。
なぁイム......イムは今日興味のなさそうな顔をしている。まあ仕方がない俺だけでも、盛り上がってやるか。
「遊者(ライト)! そいつらは二角ラビットと言ってツノで攻撃するから気をつけてください!」
「二角ラビット? なんだ。ツノだけを注意しておけばいいんだな?」
「楽勝でごわす」
楽勝なのか? 君ら本当に楽勝なのか? 楽勝にやられるということではないのか?
すると二角ラビットAが遊者(ライト)に突進してきた。ライトは無論避けることなど出来なかったが、素晴らしい装備によりダメージを食らわなかった。
さすが.....良い装備だな。
「遊者(ライト)‼︎ 大丈夫でごわすか?」
「ああ、致命傷にはなってない」
遊者(ライト)はダメージがないにも関わらず、苦しい顔を浮かべ、ツノで刺されたところを抑えている。
おい、演技などしなくても良いから、防具が無傷なんですけど‼︎
早く目の前の敵を倒せ。煌めきの剣なら一撃で倒すことが出来るから!
やってただろ? 朝、シュミレーションを、あれだ【枕スラッシュ】のやつだ。
「くっ、こいつはジワリジワリ、ダメージを受ける攻撃か」
遊者(ライト)は何を言っている。だから早く倒せよ! 勝てる、勝てるから。
遊者(ライト)は後ろを苦しそうな顔で見た。
......まさか‼︎ もう回復してもらおうなど悪巧みを企てているのか?
戦いをなんだと思っている‼︎
それを察知したのか、カルバンもダメージを食らったフリをする。
「この攻撃は近くにいるとダメージを食らうのでごわすな」
そんな攻撃あるわけないだろ! ブレスじゃあるまいし!
二人してこっちを見えるな‼︎ 遊者(ライト)たちはイムに目を向けると......草を束ねてをベッドにしてスヤスヤと眠っていた。
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