第5話 お告げを聞こう

【王様(あいつ)のせいだ!!!】


 様々な問題は......後回しでもいい(よくないが)。まずはこの三人に強くなってもらわないとどうしようもない。装備は充実しているんだから(カルバン以外)、簡単に負けることはないと思う。

 まずは教会に行き、三人がどのくらいでレベルが上がるのか、神のお告げを聞いたほうが良さそうだな。


「あの! ちょっとお願いがあるんですが」

「お願い? 武器なら買わんぞ」


 ......俺もカルバン側の人間か。


「いえ、違います。僕、旅が初めてなので、次にどのくらいでレベルが上がるか教会で聞いてみたいんです」


 俺がそういうと遊者(ライト)達は渋い顔をした。


「いや〜俺たちさっき行ってきたばかりだし」


 ん? 行ってきたばかり? それは申し訳ない。が、それでも俺が知っておかなければどうしようもない。


「お願いします。遊者様」


 と俺が下手に出ると納得してくれたのか、一緒に教会に向かってくれた。

 教会に着くと中には神を表した銅像があり、その前に神官が立っている。

 俺たちは神官の前に行き、遊者(ライト)が声を掛ける。


「おおライトよ。本日はどのような用件なんだ?」

「神のお告げを聞きたい」

「いいだろう」


 神官は両手を広げ、目を瞑った。


「神の声が聞こえます。遊者、ライトよ。お主がレベル2になるには、あと5の経験値が必要であろう」


 まあ、そのくらいだろうな。とりあえず次の村に行くまでにはレベルが3くらいに上がっていそうだな


「えっ! あと5も経験値を得ないといけないのかよ! ありえないだろ」


 ......遊者よ。遊者よ。5だぞ。たった5だぞ。

 そんなことを言った遊者は初めてだ。


「戦士カルバンよ、お主がレベル2になるには、あと123000の経験値が必要であろう」


 レベル2になるために123000の経験値だって!!

 おい、神よ。カルバンにもっと優しくしてやれよ。遊者(ライト)もそうだが、どうしてカルバンに厳しい環境を与えるんだ? かわいそうに思えてくるじゃないか。


「やったでごわす! まだまだ強くなれるでごわす」


 ......カルバンよ。頼むから自分の置かれている境遇に疑問を持ってくれ。


「神のお告げが聞こえます」


 次はレイラか。


「レイラよ、お主はすでに最大のレベルに達しておる」


 最大レベルにかぁ......はあああああああ!!!


「レイラ、すげえな!」

「おいどんは感激しているでごわす」

「どやぁぁ!」


 すごくはない。全くすごくはない。レベル1で最大レベルってどういうことだ? 設定として街娘だからそもそもレベルシステムがないのか? そうだとしたら厄介だ。

 強くならない、強くなりにくい、一人は性格難を連れて冒険に行かなければならない。冒険というより、これではただの旅行だ。

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