賓客
近くの生花店で辻馬車を下りたグリフィンは、その足でダンバー邸へと向かった。両手で抱えた可憐な花束は、店主の口車に乗せられて買ってしまったものだ。メイネスによく馴染むようにと着込んだトレンチコートが余計なアンバランスを醸しだす。
捜査本部へ顔を出すためにはまたも守衛所を通る必要があるが、昨日ロイから渡された許可証を提示すれば前回に比べ格段にスムーズに突破できるだろう。
「ようこそおいでくださいました。どちら様でしょうか? 御来訪の際には訪問理由とお名前を伺う決まりとなっておりまして……」
守衛所に入ると、形式的な挨拶がグリフィンを迎えた。花束を小脇に抱えコートから書状を取り出す。人の良さそうな守衛が丁寧にサインや印影を確認する背後で、直前まで死体になっていた特別捜査官がこちらを見るなり目をらんと輝かせた。
現場主義の彼女にとって守衛所という小さな籠はあまりに狭すぎるのだろう。新しい刺激らしきものを前にして途端に生気を取り戻した女捜査官は、グリフィンが抱えた花束を物珍しげに見つめると、今にも吹きだしそうな顔をしながら壁を蹴飛ばし、車輪付きの椅子に乗って猛然と近づいてくる。
「おいおい、誰を狙ってるのか知らないがあのお嬢さんはやめておいたほうがいい! 親父さんに何されても知らないぜ?」
守衛とグリフィンとの間で器用にブレーキしたエルヴィナは、酒飲みさながらの陽気さで言い放つ。
「いやいや、そんなつもりじゃ……。ちょっと色々あってここへ来る前に花屋に寄ったんですが、店主のご婦人に丸め込まれてしまって……。店を出るときにはこれを握らされてたんです、タダ同然で」
「あはは、あのばあさんは口が上手いからね、それは災難……。ていうかもしかしてお前、ここで直接停めないでわざわざ違うとこで降りたのか?」
「え。はい、まあ、一応。情報管理の観点からです。ほとんど意味のない行為なのはわかってますが、大いなる災いはいつも、わずかな綻びから招かれるものです」
確かにこのスタイルは少々神経質がすぎるかもしれない。少しばつが悪いながらも、持論を展開するグリフィン。対するエルヴィナは完全に呆れ顔だった。
「別に誰がどこで降りようが気にやしないって」
苦笑を浮かべながら左手をひらつかせるエルヴィナ。グリフィンがそれに合わせて軽く相槌を打ったところで、守衛の男が割り込む。
「確認が終わりました。どうぞお入りください」
守衛が敷地の奥を手で指した。
「どうも」
グリフィンは返された書状を受け取ると、丁寧に装いを正した。しかし、無骨で年季の入ったメイネス流の服装に花束はやはり不格好に見える。馬車に乗る前にどこかで処分したいところだが、この目立ちようでは捜査本部へ向かうまでにも嫌な注目を浴びそうだ。
「邪魔だろ。持っといてやるからさっさと行けよ」
エルヴィナが乱暴に花束を奪い取る。それを顔に近づけ一瞬だけ聴香すると、備え付けの傘立てに突っ込んだ。無駄の省かれた荒々しい動作の中に時折女性らしい気品が覗くのが彼女の不思議なところだ。
機転を利かせてかただの気まぐれかはわからないが、ともあれ彼女のおかげで障害は排除された。
「助かりましたよ。これからの血に塗れた道中には少々似つかわしくない物だったのでね」
そう言うと、グリフィンはコートを広げて見せる。内側には折りたたみの鈍器や工具に偽装した仕込み銃などの隠し武器や、ロープや開錠道具が詰め込んであった。
「まるで大盗賊だな。久々の里帰りだからって浮かれすぎじゃないか?」
「用心には越したことありませんよ。……私がメイネスへ行くこと、知ってるんですね?」
グリフィンの問いに対し、エルヴィナは心得顔だ。
「まあな。日がな一日ここで爺さんみたいに日暮を待ってるわけじゃない。合間を縫って、情報をまとめる事務仕事もやってんのさ。退屈だろ?」
意味もなく守衛所に棲みついている、とは流石に考えてはいなかったが。
「ええ、それは……、お気の毒に。島流しさせるには惜しい人材に思えますがね、貴女は」
グリフィンはやんわりと疑念を口にした。
「いやあ。たしかに死ぬほど退屈だけど、貴い仕事だぜ? これも。局長から直々に言い渡された任務だ、なんかのお考えがあってのことだろうさ……」
そっぽを向いたまま答えるその顔には、微量の懐疑が含まれているように見えた。
グリフィンが返す言葉を考えているうちに、彼女は爽やかな車輪の回転音を伴い奥のデスク近くに高速移動した。
「じゃ、こっちにも仕事があるんでね。帰ってきたらウマい飯奢ってやるよ。あっちじゃロクなもん食えないだろうしな」
メイネスでも上等な飯は食える……。そう口を衝きかけたが、すんでのところでこらえた。代わりに大きく息を吐くと、足早に本館へと歩き出した。
昨日より早い時間に訪れたこともあってか、敷地内は朝の支度で慌ただしげな様子だ。グリフィンの姿にも使用人たちは少し目を留める程度で、奇異の視線は感じない。清々しい朝の空気を浴びながら歩く道のりは、実際の距離よりも短く感じた。
入口の扉を開きエントランスへ足を踏み入れたグリフィンは、周囲を確認したのち、迷いのない足取りで二階へと向かった。階段を上がりきったところで、吹き抜けの手すりに手をかけて待ち構える男の姿があった。
「我らが救世主どの、ごきげんよう!」
男は上がってきたグリフィンを見つけると、仰々しく敬礼する。いかにも軽薄そうな貼りつけた笑顔は陽気なようでいてほとんど感情が読み取れなかった。
「ええ、どうも。この家は田舎町みたいに噂が走り回るようで?」
先日訪れた際に日陰で道草を食っていた男だった。盛大な歓迎はメイネス遠征を気遣ってのことだろうが、この男がただの使用人なら捜査情報を知りうる立場にいるとは考えにくい。
「色恋沙汰ならちょっとは回りが良いかもしれないですけどね。アルバートさんから頼まれたんです。旦那様の部屋へ案内するようにって」
あくまで飄々とした口ぶりがこちらの気をわずかながら緩ませる。さ、こっちです。と続ける彼は回り道という言葉を知らないようで、清掃の真っただ中にもお構いなしにすり抜けていくので、ついていくのに苦労した。
「はい、ここですよー。……って言っても、知ってますかね。昨日通ったんだし」
「気遣い、痛み入るよ」
セレネクール警視庁の本部長でありダンバー家の現当主でもあるロイ・ダンバーの私室の扉は、ほかの部屋のものとは材質が違う。ここに辿りつくまでに見たドアは木色に近いダークブラウンのニスで艶出しされたものが多かったが、ロイの私室の扉は発色のいい赤で塗装され、ところどころ経年劣化で薄白い木が見え隠れしている。扉枠の形状は変わらないので、施工の際にほかの部屋との区別のため塗装されたか、一度破損したものを修繕したかのいずれかだろう。
「それでは、俺はこれで。……どんなところなんだろうなあ、メイネスは。気になるなー」
手短にまとめると、役目を終えた男は脱兎のごときスピードで来た道を引き返した。この一仕事を任せるだけの何かが彼にはあったのだろうか。訝しみながらもグリフィンは赤い扉を開いた。
中は無人だった。ロイの私室はきれいに片付いていて、彼の几帳面な性格を窺わせる。左手の日差しを避けた空間には書類棚があり、公共の図書館にも置いてあるような史料が並べられた開放棚と、背表紙にタイトルのない数冊の冊子が入った鍵付きの書棚があった。そして、正面に見えるデスクの左側の壁には、やや冷たい印象を受ける灰色の扉があった。
グリフィンはすぐそばの壁の、馬に乗った男の勇壮な肖像画を眺めると、以前言われた通りにそれを左に動かした。壁と平行にずれた絵の後ろから、壁を浅くくりぬいて作られた横に長い長方形の空間が現れ、そこには等間隔に並んだ六つのボタンがあった。
ボタンの配置は、捜査本部への地下通路で見た鋼板のフックの配置と同じだった。ロイの言う“人並みの記憶力と洞察力”は「深読みをするな」というメッセージと同義だろう。その場合押すべきボタンとして真っ先に思いつくのは、あの時カンテラを掛けた位置だ。壁奥に後付けで設けるには複数のボタンを押さなければならない機構は複雑すぎるし、出入りする人の数が少なく、同様に登録数も少なくなることを考えれば押すべきボタンは一つでいい。
グリフィンが右下のボタンを押下すると、扉の前の床板が小さな音を立てて開いた。靴跡を模したマークが印刷された石板がせり上がる。
「……踏め、と」
機密情報を保持するための奇怪なセキュリティの数々が、だんだんとただの趣味の産物に見えてきた。グリフィンは石板をゆっくりと踏みしめる。
目の前の灰色の扉から開錠音が鳴った。鍵穴は見当たらないので、この方法でしか開けられない作りになっているのだろう。
グリフィンは息を整えると、ドアノブを回した。
捜査本部は捜査員の面々こそ違うものの昨日とさして変わらない様子で、資料を睨む者や書類に何かを書き込む者など、それぞれの業務をこなしているようだった。
グリフィンの来訪にいち早く気付いたロイが部屋中央の作戦卓からこちらを見ている。その顔は一層険しげだった。
「おはようございます」
「来たか。……早速だが、お前にはもう一つ面倒ごとを頼むことになった」
心労が察せられる重苦しい声色でロイは言う。
「提案者の私が言うのも何ですが、あんなところに出向くのを考えたら他はほとんど些事に思えますがね。それで、土産屋のガニー商店ならもうとっくに潰れましたよ?」
メイネスの都市としての機能がとっくに失われているのは周知の事実だ。
「エリックが昨夜から帰らないんだ。奴の妹が言うには、『メイネスに行く』と言い残して夜半に発ったらしい。朝確認したところ、厩舎から一頭の馬が消えていた」
「……それは大した面倒ごとですね」
土地勘のない人間があの場所に単身で向かうのはストレートな自殺行為と言うほかない。もちろん彼もただの馬鹿ではないから、多少の準備と心構えのもとで向かったことは想像に難くないが、それでも満足に目的を達成できるとは考えにくい。辿り着けるかだって怪しいほどだ。
「我々の動向を見てのことならまだしも、昨日の今日で先回りなんて道理が合いませんよ。彼はどんな魔法で馬を駆る判断に至ったのでしょうね?」
彼の身の振りの軽さはあまりに奇妙だった。その行動の早さはまるでその場で話を盗み聞きしていたかのようにも見える。
「それがわかっていたならここまで手を焼いていないさ。……コールフィールド、奴を頼む」
問いに答えるロイの嗄れた苦笑交じりの顔には、幾分かの悲痛が混ざっている。グリフィンはその様を見て、気の毒に思わずにはいられなかった。
「ええ、ええ……。もちろん、そうでしょうね。でも、彼がどういう理由、意図で行動していたのだとしても、彼がただの愚か者ではないことはよくわかっているでしょう?」
「ああ、そうだな……」
グリフィンのフォローにも上の空で答える。彼の悩みの種はそれだけではないような、引っ掛かりを感じた。
「はあ。……もしかして、事が発覚してすぐに焦って人を送ってしまったとか? アルバートさんですか? あの不真面目そうな使用人が案内役を任されていた時点で妙だとは思ってたんですが」
ロイは少し驚いた顔をする。それが安堵と諦めが混ざったような色に変わると、観念した様子で語りだす。
「アルバート……、あいつは父の代からこの家に仕えていてな。エリックがいなくなったと聞くとすぐに血相を変えて、ここを飛び出していった。周りの使用人に残りの仕事を割り振る冷静さは残っていたし、お前が後を追ってくることは把握しているから下手は打たないだろうが……」
「なるほど。ええ、私も問題はないと思っています。足運びでわかりますよ、彼はただの執事ではないでしょう。いろいろと、経験豊富なようですから」
彼の長身をことさらに際立たせる整った背筋が、ただ“使用人としての威厳”から成り立ったものではないことは明らかだった。
その言葉を聞いたロイは、なおも煮え切らない様子で目線を横にやる。
「奴がどれだけ優秀で、埃を払うように暴漢を蹴散らせたとしても、迫る老いには勝てんさ。一時でも己の力量を見誤ることがあれば、無事でいられる保証はない。あの場であいつを止めなかった私のミスだ」
身を賭してまで救おうとするエリックの存在がアルバートにとっての孫のようなものとするなら、ロイから見るアルバートには親にも似た情や恩があるのだろう、彼の顔には珍しく焦りが見えた。
「そこまで時間は経っていないでしょう? 今から追えば間に合うかもしれない。ご子息やアルバートさんに伝えたいことはありますか? ないなら、すぐに発ちます」
少しの思案のあと、ロイは答えた。
「行け。敷地の外に馬車を停めてある。やや大型の、緑のやつだ。御者にこれを渡せ」
「仰せのままに」
黒を基調とした高級感のある馬車がダンバー邸を出ていく。滑らかに動く車輪が、丁寧なメンテナンスを物語った。道の端の目立たない場所に停めてある緑の馬車はそれに比べると幾分かみすぼらしく見えた。
「検視局のグリフィン・コールフィールドです。長旅になるでしょうが、どうかよろしくお願いします」
御者台の男に小さく折り畳まれた書簡を渡す。
「へえ。あそこにいたこともあるって言うからどんな粗暴なのが来るかと思ったら、ずいぶんと感じの良い子だ。賢そうだし。……おれも、昔いたことあるんだ。よろしくね」
穏やかそうな面持ちの中年だ。
メイネスでは決まりを守り、余計な深入りを慎むことさえできれば平穏に暮らすことができる。彼が過ごしていたのはおそらく、シエルと呼ばれる通りだろう。島嶼国中の都市と比較してもかなり治安のいい場所で、今回の遠征で拠点とするのにも最適な場所と言えた。
「シエル通りまで、お願いできますか? なるべく急いでくれると助かります。先行した人員に危険が迫っているかもしれないので」
「ああ、わかったよ。シエルまで、急ぎだね。“先行した人員”ってアルバートさんのことだろ? あの人なら大丈夫だと思うけどなあ。まあ、乗りなよ」
勢いよく走りだした馬車は、思った以上に速かった。車体が粗末なのはメイネスでも目立たないようにするためで、良い馬なのだろう。道を進んでいくごとに車体全体が大きく揺れ、二人掛けの乗車席を隔てるトランクの蓋がガタガタと音を立てた。
施錠されていないトランクから、時折男の呻き声が聞こえることに気が付いたときには、空は薄暗く、あたりは鬱屈とした空気に包まれていた。
メイネスは、昼間だというのに薄暗い。大火の煙が未だ残っているかのように錯覚させるそれは、ここに人が寄り付かない理由として十分だった。
「通りまで行くのは入り組んでて難しいね。ここまででいいかな」
無理もないだろう。都市部から離れるにつれ、道もどんどん悪くなってきていた。
馬車は少しずつスピードを緩めると、過去の街並みがわずかに垣間見える道の広い通りに停まる。
「ええ、わざわざこんなところまで……。ありがとうございます、助かりました」
馬車を下りて辺りを見回すと、すぐ近くにポップなタッチで描かれたショットガンを構える男性の看板があった。“ガニーの雑貨屋! 右に曲がってすぐ”と書いてある。
「懐かしい看板だね。本社がメイネスだったから、火事のあとはみんななくなっちゃってねえ。いい目印になるから、三日後迎えに行くときはこの辺に停めることにするよ。じゃ、頑張って!」
御者が手綱を引き、馬車はゆっくりとターンする。
「あ! すみません」
「なんだい?」
「その、トランクの中に忘れ物をしてしまって……」
呻き声を詮索すべきかは決めかねていたが、いかにも善良そうなこの男に手荒な真似ができるとは考えにくかった。中に人を閉じ込めたいなら外から施錠をするべきだし、どういう目的にせよ、自らトランクに潜んだものと考えるのが自然だ。
「こんなとこまで持ってくるんなら必要なものだろうからね。よかった、ギリギリで気付いて」
グリフィンは再び馬車に乗りこむとトランクを開ける。
中は空だ。
角伝いに袖から財布を滑り落とす。音もなく底に落ちたそれを回収すると、御者に見せた。
「ああ、捜査中これがなかったらと考えると……。すみません、わざわざ。では、また三日後に」
頷いた御者は手綱を操った。トランクの中身に思考を巡らせながら、馬が歩を進めるのを眺めていると、先ほどまで車体があったところで男が伏せているのが見えた。
馬車が自分の上を過ぎ去ったのを確認すると、男は機敏に跳びあがり直立した。たっぷりと間を作りながら、ふぅ、と息をつきこちらを見る。
「案外フツーなとこですね。もっと物乞いとか鳥の死骸とか、そーいうのがうようよしてるんだと思ってましたよ」
「ダンバーでは魔法が流行ってるみたいだな。どうやってあのトランクを脱け出したのか、どうしてここまでやってきたのか。洗いざらい話してもらおうか。野良犬の餌になる覚悟があるなら別に構わないが」
「ヤだなぁ。ねえ、わかるでしょ? ただの可愛いルパート君ですよ。アルバートさんにはとにかく世話になってるんです。サボってても大抵見逃してもらえるし。だから、心配で心配で……。まあ、心配半分、観光半分って感じですけど」
ルパートと名乗ったのは、つい今朝会ったばかりの使用人の男だった。
「まだどうやって馬車の真下に移動したのかは聞いていないが」
「はは。魔法ですよ、魔法。魔法使いなので、その力でアルバートさんも……」
「その力で?」
コートの内から取り出した拳銃を向ける。彼の底知れない軽薄さがどこから湧いてきているのか、皆目見当もつかなかった。
「あー……、その力で、アルバートさんも、簡単に見つけ出してみせる! ……あはは、ぐらいの気持ちで頑張ります、はい。あ、トランクの中からは馬車が停まって二人が喋ってる間に後ろの窓から出ました。人よりだいぶ身軽なんです。……これはほんとですからね」
ほんと、物騒だなぁ。小さく呟く声が後から聞こえた。
彼の所業は業務妨害以外の何物でもないが、治安の悪い地域に置き去られた市民には保護責任がある。これ以上余計な真似をさせないためにも、うまく丸め込んで安全な場所に連れていく必要があった。
「行くぞ」
グリフィンは通りを外れた狭い路地に入る。いつ崩れるかもわからない建物と建物の間を足早に進んだ。
「え、ちょっと。どこ行くんですか! できることならやりますから、もうちょっと仲良くしてくださいよ。彼が心配で来たのはほんとなんですから!」
ルパートも慌てた様子で追従する。無計画に立ち入った場所で一人になるのは避けたいのだろう。このままいけば宿まで誘導できそうだ。
「伝手がある。そこでならアルバート翁も“探偵気取り”も、安全に滞在できるはずだ。全員で野垂れ死にするわけにもいかないだろう?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます