第3話
カルロッタがその違和感に気付いたのは、ロベルタに手ほどきを始めてから数ヶ月ほど経った頃だった。彼女が教えていないステップをロベルタが踊ってみせたのだ。
ロベルタは基本的に家の外に出ない。カルロッタ以外のダンスを見たことはないはずだ。
カルロッタはロベルタに尋ねた。
「今のステップは、どこかで見たの?私が教えたものとは違っていたようだけど……」
その問いかけにロベルタは、
「できる、と判断したのでやってみました」
とだけ答えた。
それからも、ロベルタのアンドロイドらしからぬ行動は続いた。基本的にアンドロイドは持ち主の指示がない間は待機しているものだが、ロベルタは違った。指示と指示の間の時間を見つけては、カルロッタに言うのだ。
「自分のダンスを見てほしい」
と。それはまるで、ロベルタ自らがダンスの上達を望んでいるかのようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます