6 三限目と四限目の間

「なぁ、佐藤、最近あいつ見かけへんなぁ」

「ん、あぁ、和田さんのことか」


「そうや」

「よう知らんけど、あの子、"わむり"やったらしいで」


「ほーん、そんで」

「"わむり"やって分かってから、別の部屋に隔離されたんやって」


「今までずっと、"わむり"ってこと隠しとったんか、気持ち悪いなぁ」

「え、鈴木、和田さんこと好きやったんちゃうんか」


「そんなぁ、"わむり"のこと好きなるわけないやろ」

「まぁ、それもそうやな」



「鈴木くん、ちょっとこっちまで来てください」


「和田さんが、鈴木くんも"わむり"かもしれない、と言っていたそうです」


「なので、"わむり"でないことが分かるまで、和田さんとこの教室にいてください」



「鈴木、戻って来ぉへんなぁ」

「もしかして、鈴木も"わむり"なんちゃう」


「え、さっき鈴木と話してもうたわ、おぉ怖」

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