#5
校門が閉まるのは8時半。
真帆が教室に入ったのは8時20分。
「ま、間に合った…。」
息切れしながら自分の席についた。
「真帆おはよー!」
「今日は遅かったね。」
次々と真帆の席に集まる友人たち。
真帆は今朝からの出来事を友人たちに話す。
「…で、こんなに遅くなったの。」
「大変だね…。」
「というわけで、今日は食堂でお昼ごはん食べるわ…。」
真帆が通っている学校は、中高一貫校。なので、広い食堂がある。食堂があるのも、今の真帆にとって救いだった。
授業が始まるチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
「きりーつ。」
いつもと変わらず、授業が始まる。
真帆は授業を聞き、ノートをとりながら、放課後のことを考えた。今日は放課後、友人たちとクレープを食べに行く予定だったが、そんなことなんて出来るわけない。
16時半までに楓を迎えに行かないといけない。帰宅したら、洗濯物を畳まないといけない。お風呂掃除もしないといけない。夜ご飯も作らないといけない。
しなければいけないことがたくさんあり、どれから手をつければいいのか、頭の中がごちゃごちゃになって、パンクしそうだ。
シャーペンの芯が折れたと同時に、真帆は小さくため息をついた。
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