だから今回は、本当の本当にそういうことが起きたのだと納得するより他はない。

 振り返ってゲートの向こう、元来た道を見れば、既に白い霧のようなものに呑まれて跡形もない。


「帰らないでね、帰らないでね、帰れないけど、ウケケケケケケケ」


 僕の想像を確信に変えるように、さっきのピエロが不気味な踊りと笑いを披露しながら横切っていった。しょうがないので、帰るのは諦めることにする。代わりに僕は、暖かい気温の中さっぱり溶けないアイスをかじりながら、雪華に尋ねた。


「本当に、ネバーランドよりも楽しいの?」

「はい、もちろんです」


 どこから来るのかさっぱりわからない自信でいっぱいな、小さなかわいい彼女の言葉を、僕はそっくりそのまま信じることにした。

 ――正直に言えば、何度も夢に見た世界に、ホントのホントに来れた高揚感に包まれてしまってもいたから。

 

「それじゃ、アイスを食べたら遊びに行こうか」

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