#5 ろりこん更生委員会
そして日曜日。あれから二日後の事。
紺は朝早くから朱音に叩き起こされる。そしてそのまま彼女の部屋へ連行されるのであった…
部屋には藍音もいる。
藍音は少し戸惑いながらもギュッと紺の脚にしがみついた。
朱音から話は聞いているのだろうが、藍音はそれでも紺に懐いている。そんな藍音を見る朱音はフンっと横を向いてしまった。
こちらは完全に兄を変態と認識したようだ。
しかし紺も何か吹っ切れてしまったのか、ツンツンした朱音も悪くないなと変態的な思考をするようになっていた。
幼神シャロットは紺の隣にちょこんと座る。二人の妹には見えていないようだ。
姿消せるなら最初からしとけ…と言ってやりたいのは山々だが言えないのがもどかしい紺はシャロットを睨みつける。
『可愛い妹達なのね。兄がロリコンになるのも致し方あるまい、なのよ。』
紺はため息をつく。
そんな紺の膝には藍音が座る。少し緊張しているのか小さな身体は震えている。
すると朱音はその緋色の瞳で紺を睨む。
「紺兄、今日から本格的に紺兄のロリコンを治療するから覚悟してよ?」
「ち、治療…?」
「そう、治療!紺兄は重度のロリコンなの!だから荒療法で一気に更生させることにしたの!」
「あ、荒療法…」
「ロリコンはロリをもって制す!私の友達と藍音の友達にも声をかけたからね!覚悟してよ?」
「何だと⁉︎意味がわからんぞ妹よ!」
隣で『にししし…』と小生意気に笑うシャロットが極めて憎たらしいと感じる紺だった。
「名付けて、ろりこん更生委員会、発足よ!」
なんだそれは、と言いかけて言葉をのみ込んだ紺を震える藍音が見上げる。
「紺、にぃに。…応援してるから、ふぁいと!」
頬を染め恥ずかしそうにエールをおくる藍音の可愛さに心を打たれたのか紺の瞳に闘志が蘇ったかのように見える。
そんな紺が振り返ると、幼神シャロットの姿が消えていた。彷徨くなと念を押していたのだが、と紺は頭を抱えるのだった。
その時だった。ピンポーンと玄関のチャイムが鳴る。役員達のお出ましだ。
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