第6話  パラレル

自分は今何人目なのだろうか?


生きているとよくそんな事を考える。生まれてから20年を超える日々を


当たり前のように生活している。多くの選択をして生きてきた。


小学校のとき自転車の坂くだり競争を拒否したとき、


木の上でスズメバチがサンダルの上に止まったとき、


中学時代、虐待を疑われて、教師と面談をしたとき


社会人になりコンビニでエビアンを買ったとき、


日々当たり前のように生きている中、おそらく何千何万と死んで、あるいは


別の世界で生きている自分がいるはずだ。


テレビゲームをコンテニューする、そのキャラクターはもうゲームオーバーした今までのキャラクターとは別の存在だ。


‘‘やり直しなどではないのだ”


気づかず分かれてきた自分自身にいつか、僕は〝ありがとう〟と言いたい。


別の世界の無数の僕の中の一人だけでも同じことを想ってくれるだけで、きっと温かい世界が増えるはずだ。


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