第3話 不安しかないよ…
紫苑「行き先は決まったけどさ~地図、無いじゃん?」
とりあえず、街に行こう((現実逃避))ってなったのは良いけど何せ地図無いもんで此処がどこなのか全く分からない。
咲恵「詰んでない?」
凪紗「言っちゃダメだよ。それは」
凉華「完全なる現実逃避じゃないか…というか、俺の空間魔法使えんじゃね?」
レベル10がどの位の強さなのかは知らないけど、探知位できるだろ。
そう言った凉華がやけに頼もしく見えた。
凉華「一言余計だ。アホっ」
紫苑「痛っ!僕の心読まないでよ!」
凉華「完全に口に出てたわ!」
凉華がぁぁあ、こめかみの所グリグリしてくるぅぅう!!凉華はみさえなのかぁぁあ!!?
凪紗「二人共…」
紫苑「凉華も性別男になってんだから全力で力込められたら頭が割れるよ…」
凉華「咲恵と凪紗は女のままなんだよな?」
咲・凪「「うん」」
じゃあ、なんで僕達二人だけ男になったんだ?見た目は元々僕達ショートカットだからそれが少し短くなって、髪と目の色が変わっただけだし…服は制服じゃなくて私服になってるし…。
あ、ちなみに僕の見た目は
黒髪ショートカットで前髪が右アシメで右側に白メッシュが入ってて左側はかきあげられてるよ。(伝われ)
凉華は、
紺色の髪と目で前髪が左に軽く流されてる感じかな。(伝われ(二回目))
凪紗「イケメン…だよね…」
咲恵「だね…」
紫苑「?」
凉華「惚れた?w」
凪・咲「「無いわ~w」」
いつもの軽い調子で進んではいるが、ちゃんとする事はしている。
凉華が、探知
僕と咲恵が主に戦闘
凪紗はいつ誰が怪我してもいいように温存
こんな感じで進んでいる。
凉華「!!探知に何か引っかかった!」
紫苑「なになに!」
凉華「人らしき形のやつが二人、3~4m位の犬みたいな奴が一匹…だな。」
目を閉じて集中していた凉華が目を開き告げる。3~4m位の犬と聞いて、とうとう異世界じゃない可能性が消えたな~なんてのんきに考えていた。
凪紗「状況は?」
凉華「戦闘中。完全に人が押されてる。」
咲恵「そこまでの距離は?」
凉華「約1kmはある。」
1㎞か…
紫苑「助けに行こう!」
「「「おー!」」」
僕達は甘かった。今まで戦いをせずに平和に生きていた人が、強い敵を前にしてすぐに動けるわけがない。
凉華「―いたっ!」
紫苑「っ!くそデカっ!」
こんなの勝てんのかよ…!魔法の使い方もよく分かんないし…
凉華「凪紗と咲恵は怪我してる人の手当と護衛!」
凪・咲「「了解!」」
皆がテキパキと行動してる中、僕は目の前にいるデカい敵を睨む事しか出来なかった。
『ほぅ―お主、愛し子か。』
唐突に目の前にいる敵が話しかけてきた。
白銀の毛を揺らし、金色の目を細めた姿はどこか圧があり、恐怖心が湧き出てきて背中を冷や汗が伝う。
紫苑「愛し子…って、もしかして魔獣の愛し子のことか…?なんでそれを―!」
『鑑定スキルを持っておるからな。
―それに愛し子は他とは違う独特な匂いをしておる。神獣のわしでなくとも他の魔獣はすぐ気づくだろう。』
神獣!?マジか~…
紫苑「もしかして…フェンリル…?だったりして…」
『そうだが?』
紫苑「マジかっ…フェンリルって言ったら風の神獣じゃん…」
そこの人達よく生きてたネ…
下手したら即死じゃん…
凉華「紫苑…?」
紫苑「大丈夫大丈夫。
えっと~フェンリルさん?なんでこんな事に…?」
『わしの縄張りに何者か入ってきたから見に来れば怪我した人間がおってな、わしは何もしとらんぞ。』
良かった。逆鱗に触れたとかじゃなさそう。
とりあえず謝って、早く移動しよう。
紫苑「縄張りに入ってしまってすみません。
それじゃあ、これで―」
『待て。』
紫苑「ふぁい!?…何でしょう…。」
マジでなにぃぃい!?怖くて僕の体ガックガクなんだけど!?
『愛し子なんてそうそう会えん。神獣のわしでもな。だから興味を持った。』
紫苑「はぁ…どういう―
『わしと一つ契約せんか?』
…はいぃぃぃぃい!!?」
――こうして、紫苑とフェンリルは契約を結ぶ事になりました。
紫苑「強制なの!?」
凉・凪・咲「「「俺/私/ウチ達空気…」」」
怪我人「「いや、俺達もっと空気…!」
この先不安しかないよ☆
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