第5話
俺は15歳になると受けることの出来るギルド試験を何度も受けた
そして 15歳の俺は今年も
アデル 15歳 レベル50
レベル50っといっても 一般の人達からは鑑定されることはない
鑑定出来るのは転生者のみ レベルの概念はこの世界の人達にはない
しかしレベルは存在する 俺のパーティーのメンバーは全員レベル1
俺が強いので 彼女達のレベルはすぐに上がっていく
俺は知ってしまった 俺のレベルアップには他の人達の10倍の経験値が必要だということを
なぜなのか 詳しく分からないが 俺のステータス画面は未設定となっている
だからなのかは分からないが 年齢が15歳から変わらない スキルがまったく覚えられない
レベルアップには経験値が10倍必要
人よりも努力をしているのだが 仲間からはサボっていると思われている
最初は圧倒的に俺が強い
俺の強さに惹かれて 女性達は集まってくる
が すぐに俺のレベルを追い抜き 俺の元を去っていく
しかし これでいいと思う
美味しい思いは出来ている 最終的にはフラれるのだが 最初はハーレム状態 モテているので いい思いは出来ているのだ
世界中の街を旅しながら 15歳としてギルドの試験を何度も受けた
いろんな女性達と何度もパーティーを組んだ
俺はそんな生活に満足できるようになった
フラれても 次がある その次も ずっと15歳なのだから
「アデル 明日こそは あの大猿の魔物を1人で倒してみせるからね」
「無理はするなよ まあ 俺が絶対に守ってやるから安心しろ」
俺がパーティーメンバーのサラと街で買い物をしていると 1人の女性が近寄ってきた
「アデル」
んっ 誰だ この人 え~と フィオナ 40歳 レベル38
中々強いおばさんだね
「どうかしましたか」
俺のことをじっと見つめてくる女性に声をかけた
「すみません 昔 愛した男性に似ていたので」
へぇ~ そうなんだ フィオナ え~と 聞いたことあるような
「その男性は」
「分かりません 私は彼に酷いことを 彼は私を 私達を強くしてくれました なのに私達は彼を」
あっ もしかして あの時のフィオナなのか そういえば 面影が
この世界の寿命は長生きしても50歳までのようだ
40歳になると成長は出来なくなり 後は老いていくのみ
40歳になると経験値が入らなくなるのだろう そして 10年以内に寿命を迎えるようだ
フィオナはあれから 仲間達と冒険者として生活していたと
強かった彼女達は期待されていたが すぐに伸び悩み そして後輩達からも追いつかれてしまったと
私達は彼が努力していないと思っていたのだが 彼は休みの日も1人で魔物退治をしていたと後から知ったと
彼に会って 謝りたいと
謝る必要などない 今思えば楽しかった 俺の最初の仲間達 そして 俺の始めての
「ねぇ どうしたの 暗い顔なんかして あのおばさんのことを気にしているの」
「今は俺の方が強いけど サラの方が強くなったら どうする」
「えっ どうしたの 急に アデルなら きっと 魔王を倒せると思うよ」
はっはっ そのセリフは何回聞いただろうか サラもきっと
「ねぇ 悲しい顔なんかして」
「じゃあ 今夜はサラが慰めてくれよ」
「ふっふっ いいわよ」
この世界では強い男はモテル 無能な男は捨てられる
しかし それで いい また 来年 モテルのだから
「勝者 アデル」
俺は今年もギルドの試験を受けにきた
アデル 15歳 レベル200
俺が本気で仲間達のレベル上げをしても1~2年ではレベルを抜かれることはなくなっていた
仲間達との契約は1年 別れたくない場合でも 最大で2年と決めている
最強の男のまま 仲間達と別れるために
彼女達も1年でとんでもなく強くなるので
その後の活躍も凄いらしい
活躍している女性冒険者達の名前を聞くと ほとんどが俺の元パーティーメンバーだ
アデルという名前の男の噂も広まっていったが アデルという名前の男性は多い
そして 俺の年齢とは一致しない なぜなら 俺は今年も15歳なのだから
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