A- 1/2:2人
「シナ先生ー。サクラ、下?」
扉を開け、コンクリートの階段を下っていくと、カーテンの仕切りがある。ケースを持たない手でそれをよけて中に入ると、そこは、研究室となっていた。
「サークラ」
入り口に背を向けていた白衣のサクラが、笑顔で振り返る。
「アキ」
「“サンプル”持ってきた」
サクラは彼へと歩み寄りながら、それを、驚きの表情で見つめた。
「え?ウソ?!あんなにイヤがってたのに……一番乗りなんだけど。え?因みに何を想像したの?」
「何聞いてんだよ……」
サクラにケースを渡した
「つーか、こんな大層な入れ物持ってきといて、よく言うよ」
「あはは。でも、一番茶化してたクセに」
「俺もある意味、研究者だからな。サクラの気になったら突き詰めたい気持ちは、よく分かる。それに……――――」
言葉を切り、
「他でもない、
「ありがとう、アキ」
「貴重な俺の、大切なDNAだ。ありがたく使えよ?」
「足りなくなったら、またお願い」
「オイ……」
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