第9話生存×魂=同盟

読み方

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" " ←主人公目線の表現

"" "" ←効果音

←表現

' ' ←誰かの考え


9・生存×魂=同盟

ーーーーーーーーーーーーーー


オーク村ーーーーーーー


「族長…遠くから何か分かりませんが急速にこちらに向かってきます…」


見張り台から望遠鏡で、その姿を確認する。


「何?」


「おおよそ10秒後に壁に激突する模様…!!」


見張り台にいたオークは振り向き下にいたガズールに声をかける。


「逃げよ!!エルフ激突隊だ!!」


「たった一騎…」


見張り台のオークが言いかけた瞬間


""ズサァァ…""


壁は粉のように崩れ落ちた。


「髪に木くずがついちゃった。まあいっか!

はぁい、オークの皆さん!

私はエルフ十将の1人カグラ・マサムネっていいまーす!

あっカグラちゃんでいいよ?」


「カグラ…マサムネっっ!」


「あれ?私のこと知ってるの?もしかして私ってば有名人?やったー!!」


「何の用だ?」


「えーっ?決まってるじゃん?」


ガズールはなんの事か分からないという顔をうかべる


「エルフ王からー、オーク族を一匹残らず殲滅しろって言われてるからきたのー」


「なっ…!!(あの者達の言っていたことは本当だったか…だが、同盟を組んでも結果は変わらなかったか…!!)」


「じゃ、殺されてねー?」


ニッコリと笑顔を見せるカグラはジャンプし、空中から二段ジャンプの要領で、空中を蹴る。

しかしその速度は正しく閃光。

空中を蹴って飛んでいる速度ではなかった。


「みな、逃げろ!!!」


10万人もいたオーク族はみるみると減っていき残り100体になるまで斬り殺されていた。


「くっ…」


ガズールは生きていた。


「あれ?よく立っていられるね?族長だからかな?なかなかやるねー?でも…」


カグラは刀を振り下ろすとガズールの右腕は切られていた。

距離にして10メートルは離れているのにも関わらず、斬られていたのだ。


「ガハッ!…くぅっ…!!」


「私の相手にもならないから死んでほしーなー?記憶からも消えちゃうけどね?」


ニッコリ笑い刀を構える。

ガズールは目を瞑り死を覚悟したその時空から何かが来た。


ーーーーーーー

同時刻、草原を走っているマリィ達は、その緊急事態に動揺していた。


「えっ?カグラ・マサムネってあの…やばいやつ!?引き返した方がいいんじゃないか?」


「いや、俺達はこのままファイター族の元へ進む。」


アトロは、冷静な声でマリィ、そして他の人狼族に指示をした。


「なんでだよ!あいつらが死んじゃったらダメじゃんか!!」


「今行ったところで俺達には何も出来ない。同胞を無駄死にさせる訳にはいかないんだ、今は彼らが1人でも多く生き残ってくれることを祈るしかないんだ…!」


"マリィは悔しかった。確かに何も出来ないだろう。無駄死にだろう。でもそれでも、助けたいと思った。"


「でも…!」

「冷静になってマリィちゃん!私達が死んじゃったら、救える種族も救えなくなっちゃうんだよ…!」


マリィが口を開くと宥めるようにシスビィは話しかけた。


「…っ。分かった。オーク族の人達ごめん。今はファイター族に向かうのが最優先だね…」


マリィの《ゴッドアイ》はオーク達のその有様を写し出していた。残酷、血の海。そんな言葉を揃えた方が早い無残な姿のオークの街。


しかし、《ゴッドアイ》はあるものを写し出した。


「なぁ、アトロ、羽が4つある鳥顔をした獣人族みたいやつがオーク族に突っ込んで言ってるんだけど?」


「バードマンか、それは好都合だろう。オークで今生き残ってる奴らは救われたな」


「え?なんで?」


「バードマンはカグラ・マサムネよりスピードは遅いが、機動性がある。カグラ・マサムネでも追いつけない。これで心配せず、ファイター族に迎える。」


"マリィは首をかしげ、追われないってだけで救われたのかどうか、オークを連れていくとなれば、速度は落ちるだろうしと考えていた。"


ーーーーーーー


「およ?」


砂埃を上げ、影に羽が見える。そして上空へと消えて行く。

そしてガズールの姿が消えた。

そこに居た残りのオーク達も消えて行く。


「あらぁこりゃ、バードマンかー。じゃあ無理かなぁー、プーロ潰してかーえろっ!」


そう言うとカグラは空中を蹴り、来た方向へと戻って行った。


「無事かガズール」


「あ、あなたは…貴方様は…!!バードマンの歴史史上最強の大英雄、ゼクス・エルシオン様…!!」


そのくちばしは鋭く、4枚の羽は虹色に輝き、目はキリリとしていて目は青白く、鷲や鷹のような見た目をなのだが、鷲や鷹とはまた違う見た目をしていた。嘴が、まるで洋風兜の口部分のような見た目をしていた。

体毛は真っ白とベージュのような色。


「無事のようで何よりだ。お前達オーク族は我々のバードマンの村で保護する。異論はあるか?」


「ないです!よろしくお願いします!」


「そうか。至急我はプーロの村に向かわねばならぬ。」


その大英雄は、落ち着いた声をしていた。まるで未来を見通すかのように。


ーーーーーーー


「なんで安心なんだ?」


「そうか、マリィは知らないのか。魔王軍との戦いで魔王に、エルフ遊撃隊の足止めを頼まれたのがバードマンだ。」


マリィは頷く。走りながらに説明を受けてはいるがよく聞こえる。日は沈み始め、辺りは黄金色に輝いていた。


「エルフ遊撃隊は、全員が最強クラス。簡単に言えば、カグラ・マサムネを遊撃隊2人で相手にすれば勝てると言われるほどの戦力だ。」


「そしてそのエルフ遊撃隊のエルフ十将1位のドラセウス・アグルクと互角に渡り合い、結果不戦勝で、戦いを終わらせたバードマン歴史史上最強の大英雄と言われているゼクス・エルシオンがいる。」


(えっ!?カグラ・マサムネもやばいくらい強く感じるけどその上のドラセウス・アグルクもかなりやばく感じるのにそいつと同等ってこの世界の住人インフラ化し過ぎだろ、おい)


「まじか…やべぇ…」


「あぁ、1位と渡り合えるなど、他の種族にはいないから、エルフ達が1番警戒している種族だな。そうだ、あそこの山を超えればバードマンの村だぞ」


アトロは顔を横に向け山の方を見る。

そしてマリィも見る。

そこには高いが、高さよりその長さに驚かされるような山があった。まるで、自分が転生してきた時の山のようだ。

するとその時、マリィは疑問を感じ、精神世界にいるホルティスに質問した。


(なぁ、ホルティス?俺ってどうやって生まれたんだ?ゴッドアイで見えてたんだろ?)


(あぁ、お前は魂の余り物としてこの世界に来たからな、そこら辺の草達が、自分の命を分け合って結合されていたよ。)


(わっつ?)


(お前は知らないだろうから神に近づいている記念に教えよう。)


"長くなるので、まとめた奴はこの下に置いておきます。"


纏めずに書くと、魂っていうのは自分の世界だけで補う場合と他の世界と交換する場合があり、魂の交換は他の世界で死んだ場合、他の世界の新たなる生命などとして、生まれ変わるそうで、その時の手続的なのはほとんどが神の行い何だとか。

そしてこの世界は原点の世界と言われ、全ての種族と神が居るのだが、分岐世界などはどうやら俺たちの世界などだと言う。


エルフや魔女、神など見た事はないのに居るかもしれないと歴史に書かれたりするのは分岐されているから、その事実を知ってはいても、存在証明が出来ないのはこの原点の世界のみにしか全ての種族はいないからなのだと言う。


この世界にいる種族がひとつ抜け落ちると他の分岐世界の生命も絶滅するため、それを避けるべく、神の盟約が生まれたのだと言う。


そしてマリィはこっちに交換された魂なのだが行く宛に先に魂が入られてしまい行き場を失ったが死んだ場所でもなければ縁もないため、その世界の植物たちが3日かけてマリィの身体を作ったという。


纏めるとマリィは余り物の魂でこの世界の植物が可愛そうだと思って3日で作られたのだという。


(えぇ…。なんか植物にめっちゃ感謝しようと思ったわ)


精神世界は時間の流れは現実世界と変わらなかった。


「マリィそろそろ着くぞファイター族の村だ。」


精神世界から引き戻されるかのように響くアトロの声。まるで精神世界に入ってることを知っているように話しかけてきた。

オークの村とは違い石で囲われた大きな門、まさに城塞都市と言わんばかりの佇まいをしていた。

そして、全ての種族の一筋の希望が、運命が今動き出す。

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