第7話質問×今後=出発

読み方

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「」←セリフ

" " ←主人公目線の表現

"" "" ←効果音

←表現

' ' ←誰かの考え


7・質問×今後=出発

ーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあ私から質問するぞ」


「はい!」


「エルフには何隊がいるんだ?」


「はい、私が所属していたのは尖兵隊と言って大戦に置いて、戦闘にたって戦う隊にいました。

先程言ったアルクセア様は尖兵隊の将軍でして、エルフ十将の1人です。

他の隊は尖兵隊合わせて十隊あります。勿論それぞれの隊に十将のうちの一人は付きます。

・エルフ激突隊

20万キロという速度で物理限界を超えた身体能力を得た者が入れる部隊


・エルフ遊撃隊

エルフ王に戦況を見つつ自由に行動していいことを許された、一人一人が指揮官並みの頭脳を持つ者のみで構成された部隊であり剣術に優れかの10将と、剣術のみであれば引けを取らない部隊


・エルフ暗殺隊

影に潜むことができ、何処からとも無く現れる根暗が多い部隊。


・エルフ陽動隊

相手に本隊だと思わせるような幻術などを使い全く違う狙いを遂行させるための魔術部隊。


・エルフ撹乱隊

自身に幻術を使い、相手の種族に扮して行動し、内側から暗殺するような形で戦場をかき乱す。悪意や敵意を見せてしまうと術が溶けるので、とても難易度が高い部隊。暗殺隊は、魔術を使えないため区別されています。


・エルフ狂乱隊

力がとても強く暴れ周り、殺しても殺しても生き返る、まさに不死身ですが代償として知性がほとんどない部隊。


・エルフ強化隊

味方の力などを底上げする事が出来る支援魔法型の部隊。


・エルフ遠隔隊

王城から大魔法を行使してくる魔道部隊。


・洗脳魔物隊

捕らえた様々な魔物から構成された部隊で、洗脳が溶けることは絶対にない、忠実なる下僕と成り果ててしまった魔物達からなる部隊。

以上になります。」


マリィはアトロの顔を見て質問をする。


「なぁ、アトロ、なんで昼、狂乱隊が放たれてるって知った時急いだんだ?」


「奴等は遊撃隊によく似ていて、無作為に攻撃を仕掛けてきて、一度戦闘になれば勝ちはない。

死なないからな。

斬っても焼いても溶かしても細胞が無くなっても再生する恐ろしい奴らだ。

俺達は戦闘経験はあっても、戦闘したという記憶はない。

相手が死ねばその戦闘したという記憶諸共消えてしまうからな、だから罪悪感がない。

だが、狂乱隊は生き返る。

だから記憶にも残る上に、俺達は罪悪感が生まれてそれどころじゃなくなるんだ。」


「そいつらが先回りしてたり、他の種族を潰しに行ってたり何かしらの目的があって出されているなら、他の種族に勝機はない。

それにエルフの王が他の種族の殲滅を考えてるなら尚更早く動かないといけないしな。

だがあまり急ぎすぎても、俺達の体力が持たない。それこそ相手の思うつぼだ。」


「なるほどね。」


「次は俺から質問だ、シスビィ。十将を俺は知らない。できる限りでいい、知ってる情報を教えてくれ。」


アトロがそう言うと、シスビィは頷き語り始める。


「分かりました。まず私の師匠であります、アルクセア様は尖兵隊の将軍で、能力はわかりませんが十将の中で一番最下位の10位です。

9位から4位はわかりませんが、3位からは別格です。」


「3位のテンシン・マサムネさんは陽動隊の将軍でして、手は2本のはずなのに十刀流という10本の刀を操り、戦います。」


「2位のカグラ・マサムネさんという方がいて、テンシンさんの実の姉です。カグラさんは激突隊の将軍でして、なんでも時速40万キロで激突してくる上に、神速と言われた納刀と抜刀を1秒間に50億回繰り返す技や、空気さえも壁のように飛んでくることができ、方向を変えられる程の力を持っています。」


(あれ?エルフってなんだっけ?)


「そして1位のドラセウス・アグルクさんは遊撃隊の将軍で、能力は公開されてるんですがそれ以外は知らないんです。

能力は《超越》あらゆる能力を超えることができ、鉄壁や無敵、更には物理限界を超えた相手でさえ斬ることが出来て、さらに相手の能力を超越するので実質相手の身体能力の上をいくとかそんなことが出来るまさに最強に名高い強さを持っているんです。」


「そんな奴がエルフにいるのか...」


「あっ、すみません。もう敵なのにさんとか様とか付けてしまって。」


「いや気にしないでくれ、さっきまでエルフ側にいたんだ。無理もないさ、所でマリィ殿に質問なんだが」


するとマリィは殿と言われるのがどうにも性にあわない様で、アトロに呟いた。


「もうマリィでいいよ」


「わかったマリィ、なんでお前はあの戦闘で立っていられた?」


「元々俺は武術ってのをやってて剣道と空手と弓道をやってたんだ。あっ、私か...」


たまに'俺'と出てしまうのは、外見は変わったとしても内面的な面、つまり精神面は変化せずに転移しているからなのだろう。


「ほう?それは戦闘をしたことがあるということか?」


「命をかけたものじゃないけど、まあそうなるかな。それとあと一つは太陽神の加護を受けたから、身体能力が向上してたのもあると思う。あんなに体軽いと思えないからさ」


「そういう事か。」


"マリィは、アトロ、そしてシスビィとディスカッションしているかのように確認をした。"


「他に質問あるか?」


2人は目を瞑り首を横に振る。

"この、首を横に振る動作はこの世界では世界共通なのだろう。

私たちの世界では国によって縦に振ることがダメということもある。"


「じゃあまたいつか、質問したいことが出来たらこうやって質問会を開こう!じゃあもう寝ようか!」


そう言うと各々は地面ではあるが寝床につく。

人狼族は2人の見張りをつけ約1時間ごとに休憩を行った。日の出で、7組目の時アトロが起きあがり""ソロリ ソロリ""とマリィの横を通って見張りを変わる。


だがその気配で起きてしまったマリィ。


「んっ...」


アトロは他の人狼族を起こさぬように小さな声でマリィに話しかけた。


「起こしてしまったか」


「見張り...?」


「あぁ、そうだ、森の中に小さな川があるそこで水浴びをしてくるといい。昨日は色々と大変だったからな。汗もかいてるだろう」


「あ、そうだね。そういや俺...私、女の体だったね」


「俺と居る時は''俺"で構わないさ。」


「じゃあ水浴びしてくるわ」


「おう、いってらっしゃい」


森へ入っていくマリィ。その""カサカサ""と草を掻き分け手歩く音でシスビィも起きてしまった。


「おはようシスビィ」


アトロは小さな声でシスビィにも話しかけた。

シスビィも小さな声でこたえた。


「あっおはようございます」


「ちょうど今、マリィが森に水浴びをしに行った、シスビィも行ってきたらどうだ?」


「そうですね、私も行ってきます」


そしてシスビィも、森の中へと入っていく


水浴びをしているマリィは水面に浮かぶ自分の裸の姿を見る。


(あれ、なんでだろう...俺女の体してるのに興奮しない...精神まで変化してるのかな...?)


するとマリィに忍び寄る1つの影


「わっ!」


「わっ!!?ってなんだ...シスビィか...ぁ...///」


シスビィは裸でマリィに話しかけてきていた。

マリィは見た目こそ女だが、中身は童貞の男。ここでハッとする。


(落ち着け。シスビィは女だと思って俺に接してきてる。これで男だなんて知られたら...)


ーーーーーーー

「えっ、男の人だったんですか...酷いです...私の裸を見て何も言わないなんてあんまりです...」

ーーーーーーー


(あぁぁぁーー!!だめだ!それは良くない!!)


「あの...マリィ...ちゃん?な、馴れ馴れしい...かな...?」


「はっ、あっいや!別に??マリィちゃんって言ってくれていいぞ!おr...私はシスビィって呼ぶけどな!!うん!!」


"挙動不審なマリィだが、実は少し天然が入っているシスビィは全く気にしていなかった。"


「うん!よかった!仲良くしようね!マリィちゃん!」


「おっ、おう!!!」


そして2人は水浴びを終えると朝日は上り、薄霧が平野に広がる。

太陽の光が屈折し神秘的な光景を描いていた。


「綺麗だな...」


"マリィはそう呟くとこんな時がずっと続けばいいなと感じた。"


「そろそろ出発するぞ、マリィ、シスビィ。準備はいいか?」


アトロは森から出てきたシスビィとマリィに話しかける。


「これからどこへ向かうの?」


マリィはアトロに質問をした。

シスビィは、森の木の実を摘んで食べていた。


「とりあえず俺達の住処に向かって母をそこに置いていく。ここからは危険だからな。」


「そう言えばミーナさん全然人の姿にならないね。というか人の言葉も聞いてない。」


「マリィも気づいたか。母は、父を失って若干ではあるが鬱みたいな状態だ。このまま連れて行ってはいつ死なれるかわからないからな。」


確かにミーナはあれから1度もマリィに顔を合わせようとしない。


「その後は?」


「他の種族の協力を頼みに行こうと思ってる。警告という意味でもな」


「わかった。俺ついて行くよ」


アトロは頷くと狼の姿になり、遠吠えを上げた。

その声を聞きムクムクと起き上がってくる人狼族。

そして、直ぐに狼の姿になる。


マリィはアトロに乗り、シスビィは他の人狼族に乗る。

アトロが遠吠えを上げ太陽の方向へと出発する。

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