第4話 占い師にて
「それで、どうだったんですか」
「テレビ欄をチェックしてみても、これといった番組はなかったから、これも違うのかな、と思って」
「それでここに来たと」
「はい」
ここは都内でも有名な占い師の館。水晶玉を使って未来を見通す占いが今、巷では流行していた。
「全く。あんたも律儀と言うか、何と言うか。まぁ、良いさ。その数字を占えば良いんだね」
「はい、お願いします」
すると、占い師は水晶玉に手を当てて、何か呟き始めた。
そして、待つこと十分。占い師は口を開いた。
「何かね、色々な物が見えてきたよ」
「どんなのですか」
「紅茶とチェスが並んでいる一室に何か心当たりはないかい? 」
「いいえ、ありません」
「じゃあ、二+一と四という数字に心当たりは」
数字を調べていく中でまた数字が出てくるなんてややこしいにもほどがある。
当然心当たりはなかった。
「最後に聞くけど、飲み屋には頻繁に行くかい? 」
「いいえ。嗜む程度です」
結局、わざわざ占い師の所まで来たのに、また新たな謎が増えてしまった。がっかりして帰ろうとしたその時。
「ちょいとお待ちよ。17は時刻ではなかったけど、その日の21時になったら、全てが分かるよ」
「どうしてですか」
「それは言えない。その日が来てのお楽しみ」
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