OP2-1:新たな旅立ち

OP2:新たな旅立ち(シーンプレイヤー:ライザ)


GM:アリスの登場は不可。シーンインをどうぞ。

ライザ:シーンイン!(出目2:侵蝕36→38)

 いいですね、安い。

GM:いいことだ。では描写に移っていこう。


 君、ライザはUGNの理想郷、オーヴァードアカデミアへと航路を取っていた。学園に通ずる唯一の交通手段である連絡船に乗り込み、到着の時を待っている。

 空は雲一つない青々しい快晴で風も心地よく、潮風を受けて甲板に佇む君の姿はとても絵になる事だろう。

 しかし、UGNチルドレンである君が何故アカデミアへと足を運ぶこととなったのか。件の場面は数日前に遡る。


ライザ:「——潜入任務ですか」


 UGN日本支部にて命令書を一読し、顔を上げるライザ。目の前には、眼鏡をかけた如何にもキャリアウーマンといった雰囲気を醸し出している女性が立っている。しかし、その表情からは感情というものが見受けられない。君は極秘の命令を受領するため、UGN日本支部副支部長であるローザ・バスカヴィル……腹違いの姉に呼び出されていたのだ。

ローザ(GM):「そうだ。今回お前にはオーヴァードアカデミアへの潜入任務を行ってもらう」

「これには学園島の内部視察と、不穏な動きを見せる小組織『ディオゲネスクラブ』の偵察を含んでいる。何か質問は?」

ライザ:「瑣末な事ながら、ひとつだけあります。潜入カバーについては如何しましょう」

ローザ(GM):「お前の歳なら学生身分が最適だろう。こちらからは偽の身分証と転入手続きを済ませておく。問題はあるか?」

ライザ:「いいえ、何も問題ありません。学生としてのカバー、全うしてみせます」


 UGNの一室にて繰り広げられる会話。姉妹同士の家族水入らずな時間でもある筈が、そこには私情が介在する余地はない。必要最低限の情報が淡々と交換されてゆく場には家族の温かみというものは存在しなかった。


アリス:なんだろう、この……アリスと違って一切の無駄を省いたデキる人たちの会話って感じ。


ローザ(GM):「よろしい。あぁ、そうだ」そこで彼女は君に追加で一枚、新たな資料を手渡す。そこにはオーヴァードアカデミアにて行われる『ランクテスト』に関しての内容が記されていた。

ライザ:「ランクテスト、ですか」資料に素早く目を通し。

ローザ:「アカデミアでは、オーヴァード生徒の能力を図るために『ランクテスト』を行なう。しかし、UGNチルドレンであるお前では容易く高ランクの位置を得てしまうだろう」

ライザ:「目立ち過ぎてしまう、ということですか」

ローザ(GM):「そうだ。それでは任務に支障が出る可能性が高い。向こう方で目立たぬよう、これを身に着けることを義務とする」

 彼女はバッジのようなものを一つ手渡してくる。

「これを使えば一時的に身に着けた者のレネゲイド能力を抑えられる。有効に使え」

ライザ:「拝領します」

ローザ(GM):「よろしい。出立は二日後。準備しておけ」

ライザ:「仔細、承知しました」


 ライザの返答を聞くや否や、話は終わったとばかりにローザ・バスカヴィルは通常業務へと戻り、君もまた支度の為に退室していく。

 去った後の部屋には、書類にペンを走らせる音が淡々と鳴り響いていた。

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